2009年 03月 02日
ブレイド2
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どういうわけか、トーマス・クレッチマンがギレルモ・デル・トロ監督の『ヘルボーイ2』に出る、と思い込んでいたのですが、2は2でもヘルボーイじゃなくて『ブレイド2』の方に、クレッチマンは出ていたのでした。やっぱ、ここは押さえとかないと。
『ブレイド』は3まであるシリーズのようですが、1も3も観ていません、っていうか、たぶんこれからも観ることはないと思います。基本的に全く興味のないジャンルと主演俳優です。あくまで監督がトロさんで、クレッチマンが出ているから、という理由でのみの限定鑑賞です。
やっぱ、いくらトロ監督作品であるとはいっても、この手の映画で2時間もあるのはツライです。途中、早送りにこそしませんでしたが、手作業しながらのながら鑑賞になってしまいました。ごめんね(汗)。
1を観てないので色々とまちがってたらごめんなさい、ヴァンパイアが跋扈する世界。人間とヴァンパイアとの間に生まれたウェズリー・スナイプスは、ヴァンパイア最大の弱点である陽光を恐れないため、デイ・ウォーカーと呼ばれ、ヴァンパイア狩りに精を出していた。ところが敵であるはずのヴァンパイア一族が、スナイプスに共闘をもちかけてくる。新たなる吸血種族、リーパーズが現れたからだ。リーパー菌によって増殖するこの新種は、人間のみならず旧世代ヴァンパイアをも餌食にしてしまう恐るべき強敵であった。
というわけで、物語の大半は、スナイプスがヴァンパイアやらリーパーズやらを相手にひたすらドッタンバッタン闘っています。これが長い。せめて90分にまとめてくれていたら(>_<)!
や、トロ監督の映像美、というのは、この作品でも健在なのです。舞台装置のデザインが面白いし、構図もカッコイイし、ヴァンパイアやリーパーズが死ぬ瞬間の、塵になって飛び散る表現も斬新で美しい。
新種のヴァンパイア(っていうか、むしろゾンビっぽいんですけど、リーパーズって)の描き方も、過ぎるくらいに面白くて、かれらが口を開けるのを観た瞬間、思わずアハハハ! と明確なカタカナで笑ってしまいましたヨ(笑)。いやぁ、やってくれるなぁ、トロ監督(>_<)!(こういうのはめっちゃ好き(笑))。
そして肝心のアクションだって、とっても工夫が凝らされているし、なによりアクションの「振り付け」がすばらしいです。こんな華麗なアクションシーンが連綿と続くのですから、ほんとうならもっと楽しく観られたはず。
なにが障害になったかって、なんと驚くべきことに、スナイプス自身が障害になって、せっかくのアクションシーンが楽しめないのです(汗)。あーれー? スナイプスって、アクションスターとして人気の俳優さんでしょう? どうしてこんななの? なんか、動きがすごく鈍重なんですけど。動作に移る前に一々不要な「ため」があるので、思わず「どっこいしょ」と掛け声かけたくなるんですけど。重心の移動が十分でないというか、要するに動きにキレが感じられないんですけど。第一、猪の首であるせいか、立ち姿が全然かっこよくないんですけど。こりゃもう、絵として全然ダメぢゃん、と手元の作業に意識は集中してしまうのでした。
あー、惜しいなぁ、せっかくかっこいいアクションシーンなのにねぇ。アクション指導はだれったのかなぁ、と思ったら、なんとドニー・イェンだったのですね! なーるーほーどー。アクション指導だけでなく、イェン氏は出演もしています。スナイプスと共に闘うヴァンパイアチームの中に、えらいハンサムなアジア系がいるな、と思ったらそれがかれでした。で、自身のアクションシーンもあるのですが、これが、これがもう(>_<)! スナイプスのドッタンバッタンで感じたフラストレーションを一挙にふっとばす超かっこよさ! ……惜しむらくは、イェンのアクションシーンってほんのちょびっとしかないのね。
このヴァンパイアチームですが、顔ぶれがなかなか面白いです。個々のキャラクターを際立たせ得るだけの描写がないのが残念ですが、ビジュアルがそれぞれに個性的で魅力的で面白い。中でも光っているのがもちろんロン・パールマン! 最後までスナイプスとは折りのあわない嫌味なやつを、生き生きと楽しそうに演じていらっさる。
トロ監督は、気に入った役者さんはとことん使う主義なのかな。リーパーを演じたルーク・ゴスは、『ヘルボーイ2』でも妖精王子の役で再起用されてましたよね。だとすると、パールマン、あのファンタジックな容姿ですから、『ホビット』にも起用されそうだな(笑)。
一方、スナイプス側のチームは、クリス・クリストファーソンとノーマン・リーダーズ。クリストファーソンのこと、ずっとニック・ノルティ? あれ? なんかちがう? でもノルティ? と思ってました(汗)。ごめん。
スナイプスとクリストファーソンとの関係は、擬似親子みたいなもんらしいです。固い信頼関係で結ばれている様子。お互いよく助け合い、よく闘いました。不満を言えば、せっかく年寄りが若いもんに負けない活躍をしているのですから、台詞にもっとユーモアがほしかったところ。飄々とした含蓄ある賢者の言葉で若い連中を煙に巻いてほしかったです。そういえば、スナイプスもジョークの一つも言わないマジメ一方のつまんないキャラクターだったな。スナイプスにも、もっと気の利いた台詞を言わせればよかったのに。
大いに不満なユーモア描写をひとりで担っていたのがノーマン・リーダーズです。このひとのこと、『処刑人』でしか知らないのですが、あれ、ちょっと太った(笑)? 『処刑人』で初めて観たとき、スッキリと鋭角な顔立ちといい、ほっそりひきしまった身体つきといい、スラリと伸びたジーンズのおみ足といい、なぁんて美しい男優さんでしょう! と感動した記憶があるのですが、この映画のリーダーズ、衣装のせいかしら、ちょっとふっくらさん? むしろ肥満児(汗)?
や、でも、多少太ったぐらいで損なわれる美貌じゃないです。リーダーズ演じるところのスカッド、めちゃめちゃキャラが立ってます。たぶん、この映画のキャラクターの中で一番面白いキャラなのは、かれだ。
「武器発明の天才」ということらしいので、武闘派じゃなく頭脳派なのね。「あなたも一緒に闘わないの?」と訊かれて、「おれはファイターじゃなくてラバーなの!」と嘯いてます。常に軽口を絶やさない小悪党感満載ながら、実は重大な秘密を持っている(笑)。
絶対ブレイド(スナイプス)より魅力的なキャラクターですから、是非ここはスピンオフの方向で。尤もラストはあんなだったので、だったらプリクエールということで。ブレイドとの相性が全然よくなかったので(ビジュアル的にも似合わないし、第一全然仲よさそうにも気があっていそうにも見えない。まあ、あの設定なら見えなくて正解なわけですが)、相棒はショーン・バトリック・フラナリーで。(それは別の映画だ)。
さて、肝心のトーマス・クレッチマンですが。
暴挙です。果たしてこんな暴挙が許されていいのでしょうか(>_<)!
ハリウッドで活躍する最も好ましい容姿をしたドイツ人俳優(当社調べ。サンプル総数1)であるクレッチマンに、だれだかわかんなくなるほどの特殊メイクをさせるなんて(泣)。なんでそんな勿体無いことを? きちゃない老人がほしいなら、きちゃない老人を使えばいいぢゃない! パンがないならお菓子を食べればいいぢゃないのっ!
というわけで、クレッチマンの役どころは、ヴァンパイア一族の族長? 王様? のダマスキノス。老け役にもほどがある老人役で、頭はグロテスクな血管の浮いたスキンヘッド、しかも胎児のようなぬめりがあり、耳は餃子にそっくりです。外見のみならず中身だって、崇高な目的のために我が身を犠牲にして闘う悲劇の族長、とかじゃなくて、かなり悪いヤツです、ラスボスです。
いやー、なんでこの役にクレッチマン使うかなぁ、クレッチマンもクレッチマンで、どうしてこんなオファー受けるかなぁ。
いくらクレッチマンだからって、餃子耳見せられても嬉しくないよなぁ、どうしようかなぁ、と困惑していたら、ひとつ救いを発見しました。たとえどんなに汚れていても、声は、あの声だけは、まぎれもなくクレッチマンの声だったのです(涙)。ま、たいして台詞もなかったけども、喋ってさえくれればわたしは幸せ。これが吹き替えだったら暴れていたわ。
そもそもトーマス・クレッチマンというひとは、これからハリウッドデビューしよっかな、というまさにそのタイミングで、かのスピルバーグから『シンドラーのリスト』にオファーされたのに(たぶん、レイフ・ファインズが演ったあの役と思われ)、ナチスの役なんかイヤ、と蹴ったという伝説(?)の持ち主。
ハリウッドデビューをスピルバーグの超大作で飾れたかもしれないのに、敢えてそれを蹴るとは、なんという気骨の持ち主! シンドラーを蹴ってまで出たい映画があったのね、それって一体なに? というあたりでこの『ブレイド2』ですよ(笑)。えっと、『バイオ・ハザード2』とかもあるよ。きっとナントカ2っていうのが好きなんだね(違)。
『ブレイド』は3まであるシリーズのようですが、1も3も観ていません、っていうか、たぶんこれからも観ることはないと思います。基本的に全く興味のないジャンルと主演俳優です。あくまで監督がトロさんで、クレッチマンが出ているから、という理由でのみの限定鑑賞です。
やっぱ、いくらトロ監督作品であるとはいっても、この手の映画で2時間もあるのはツライです。途中、早送りにこそしませんでしたが、手作業しながらのながら鑑賞になってしまいました。ごめんね(汗)。
1を観てないので色々とまちがってたらごめんなさい、ヴァンパイアが跋扈する世界。人間とヴァンパイアとの間に生まれたウェズリー・スナイプスは、ヴァンパイア最大の弱点である陽光を恐れないため、デイ・ウォーカーと呼ばれ、ヴァンパイア狩りに精を出していた。ところが敵であるはずのヴァンパイア一族が、スナイプスに共闘をもちかけてくる。新たなる吸血種族、リーパーズが現れたからだ。リーパー菌によって増殖するこの新種は、人間のみならず旧世代ヴァンパイアをも餌食にしてしまう恐るべき強敵であった。
というわけで、物語の大半は、スナイプスがヴァンパイアやらリーパーズやらを相手にひたすらドッタンバッタン闘っています。これが長い。せめて90分にまとめてくれていたら(>_<)!
や、トロ監督の映像美、というのは、この作品でも健在なのです。舞台装置のデザインが面白いし、構図もカッコイイし、ヴァンパイアやリーパーズが死ぬ瞬間の、塵になって飛び散る表現も斬新で美しい。
新種のヴァンパイア(っていうか、むしろゾンビっぽいんですけど、リーパーズって)の描き方も、過ぎるくらいに面白くて、かれらが口を開けるのを観た瞬間、思わずアハハハ! と明確なカタカナで笑ってしまいましたヨ(笑)。いやぁ、やってくれるなぁ、トロ監督(>_<)!(こういうのはめっちゃ好き(笑))。
そして肝心のアクションだって、とっても工夫が凝らされているし、なによりアクションの「振り付け」がすばらしいです。こんな華麗なアクションシーンが連綿と続くのですから、ほんとうならもっと楽しく観られたはず。
なにが障害になったかって、なんと驚くべきことに、スナイプス自身が障害になって、せっかくのアクションシーンが楽しめないのです(汗)。あーれー? スナイプスって、アクションスターとして人気の俳優さんでしょう? どうしてこんななの? なんか、動きがすごく鈍重なんですけど。動作に移る前に一々不要な「ため」があるので、思わず「どっこいしょ」と掛け声かけたくなるんですけど。重心の移動が十分でないというか、要するに動きにキレが感じられないんですけど。第一、猪の首であるせいか、立ち姿が全然かっこよくないんですけど。こりゃもう、絵として全然ダメぢゃん、と手元の作業に意識は集中してしまうのでした。
あー、惜しいなぁ、せっかくかっこいいアクションシーンなのにねぇ。アクション指導はだれったのかなぁ、と思ったら、なんとドニー・イェンだったのですね! なーるーほーどー。アクション指導だけでなく、イェン氏は出演もしています。スナイプスと共に闘うヴァンパイアチームの中に、えらいハンサムなアジア系がいるな、と思ったらそれがかれでした。で、自身のアクションシーンもあるのですが、これが、これがもう(>_<)! スナイプスのドッタンバッタンで感じたフラストレーションを一挙にふっとばす超かっこよさ! ……惜しむらくは、イェンのアクションシーンってほんのちょびっとしかないのね。
このヴァンパイアチームですが、顔ぶれがなかなか面白いです。個々のキャラクターを際立たせ得るだけの描写がないのが残念ですが、ビジュアルがそれぞれに個性的で魅力的で面白い。中でも光っているのがもちろんロン・パールマン! 最後までスナイプスとは折りのあわない嫌味なやつを、生き生きと楽しそうに演じていらっさる。
トロ監督は、気に入った役者さんはとことん使う主義なのかな。リーパーを演じたルーク・ゴスは、『ヘルボーイ2』でも妖精王子の役で再起用されてましたよね。だとすると、パールマン、あのファンタジックな容姿ですから、『ホビット』にも起用されそうだな(笑)。
一方、スナイプス側のチームは、クリス・クリストファーソンとノーマン・リーダーズ。クリストファーソンのこと、ずっとニック・ノルティ? あれ? なんかちがう? でもノルティ? と思ってました(汗)。ごめん。
スナイプスとクリストファーソンとの関係は、擬似親子みたいなもんらしいです。固い信頼関係で結ばれている様子。お互いよく助け合い、よく闘いました。不満を言えば、せっかく年寄りが若いもんに負けない活躍をしているのですから、台詞にもっとユーモアがほしかったところ。飄々とした含蓄ある賢者の言葉で若い連中を煙に巻いてほしかったです。そういえば、スナイプスもジョークの一つも言わないマジメ一方のつまんないキャラクターだったな。スナイプスにも、もっと気の利いた台詞を言わせればよかったのに。
大いに不満なユーモア描写をひとりで担っていたのがノーマン・リーダーズです。このひとのこと、『処刑人』でしか知らないのですが、あれ、ちょっと太った(笑)? 『処刑人』で初めて観たとき、スッキリと鋭角な顔立ちといい、ほっそりひきしまった身体つきといい、スラリと伸びたジーンズのおみ足といい、なぁんて美しい男優さんでしょう! と感動した記憶があるのですが、この映画のリーダーズ、衣装のせいかしら、ちょっとふっくらさん? むしろ肥満児(汗)?
や、でも、多少太ったぐらいで損なわれる美貌じゃないです。リーダーズ演じるところのスカッド、めちゃめちゃキャラが立ってます。たぶん、この映画のキャラクターの中で一番面白いキャラなのは、かれだ。
「武器発明の天才」ということらしいので、武闘派じゃなく頭脳派なのね。「あなたも一緒に闘わないの?」と訊かれて、「おれはファイターじゃなくてラバーなの!」と嘯いてます。常に軽口を絶やさない小悪党感満載ながら、実は重大な秘密を持っている(笑)。
絶対ブレイド(スナイプス)より魅力的なキャラクターですから、是非ここはスピンオフの方向で。尤もラストはあんなだったので、だったらプリクエールということで。ブレイドとの相性が全然よくなかったので(ビジュアル的にも似合わないし、第一全然仲よさそうにも気があっていそうにも見えない。まあ、あの設定なら見えなくて正解なわけですが)、相棒はショーン・バトリック・フラナリーで。(それは別の映画だ)。
さて、肝心のトーマス・クレッチマンですが。
暴挙です。果たしてこんな暴挙が許されていいのでしょうか(>_<)!
ハリウッドで活躍する最も好ましい容姿をしたドイツ人俳優(当社調べ。サンプル総数1)であるクレッチマンに、だれだかわかんなくなるほどの特殊メイクをさせるなんて(泣)。なんでそんな勿体無いことを? きちゃない老人がほしいなら、きちゃない老人を使えばいいぢゃない! パンがないならお菓子を食べればいいぢゃないのっ!
というわけで、クレッチマンの役どころは、ヴァンパイア一族の族長? 王様? のダマスキノス。老け役にもほどがある老人役で、頭はグロテスクな血管の浮いたスキンヘッド、しかも胎児のようなぬめりがあり、耳は餃子にそっくりです。外見のみならず中身だって、崇高な目的のために我が身を犠牲にして闘う悲劇の族長、とかじゃなくて、かなり悪いヤツです、ラスボスです。
いやー、なんでこの役にクレッチマン使うかなぁ、クレッチマンもクレッチマンで、どうしてこんなオファー受けるかなぁ。
いくらクレッチマンだからって、餃子耳見せられても嬉しくないよなぁ、どうしようかなぁ、と困惑していたら、ひとつ救いを発見しました。たとえどんなに汚れていても、声は、あの声だけは、まぎれもなくクレッチマンの声だったのです(涙)。ま、たいして台詞もなかったけども、喋ってさえくれればわたしは幸せ。これが吹き替えだったら暴れていたわ。
そもそもトーマス・クレッチマンというひとは、これからハリウッドデビューしよっかな、というまさにそのタイミングで、かのスピルバーグから『シンドラーのリスト』にオファーされたのに(たぶん、レイフ・ファインズが演ったあの役と思われ)、ナチスの役なんかイヤ、と蹴ったという伝説(?)の持ち主。
ハリウッドデビューをスピルバーグの超大作で飾れたかもしれないのに、敢えてそれを蹴るとは、なんという気骨の持ち主! シンドラーを蹴ってまで出たい映画があったのね、それって一体なに? というあたりでこの『ブレイド2』ですよ(笑)。えっと、『バイオ・ハザード2』とかもあるよ。きっとナントカ2っていうのが好きなんだね(違)。
by shirakian
| 2009-03-02 21:24
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