2008年 10月 26日
【海外ドラマ】ダーク・エンジェル/シーズン2
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先日のシーズン1の記事の続きです。ストーリーとか設定とか用語とかについてはそっちを見てね(笑)。とにかく、言いたいことはただひとつです。
ジェンセン・アクレス、レギュラー(≧▽≦)!
シーズン1を観た時点では、こんな大傑作ドラマが中途打ち切りだなんて、一体なにがあったんだ!? と心底不思議でたまらなかったのですが、シーズン2を観てみると、残念ながらどうして打ち切りになってしまったのか、なんとなくわかってしまえるような出来栄えでした……。ドラマのクオリティが、ものっそ低下しとる……。それこそ一体なにがあったんだ……(911です)。
悪くなった原因は色々あるかと思いますが、何が一番いけないって、ストーリーが求心力を失って、話があちゃこちゃバラけてしまってるのが最悪かもしれない。
シーズン1では、圧倒的に強大な敵からの、自由を求めてのサバイバル逃走劇、というコンセプトがしっかりしてましたから、エピソードの一つ一つに必然性と連続性があり、マックスやその他のX5たちの行動にも説得力があり、シンパシィも(思いっきり)感じられたのですが、シーズン2には、それがない……。
マンティコアが破壊されたあとの、敵の設定に失敗したのが大きな要因だろうと思います。それだけマンティコアという組織の不気味さや、恐ろしさや、強大さが、シーズン1では巧みに描写されていたわけで、特に、敵役の要、ライデッカーというキャラはやはり出色だったのだなぁ、と、亡くなって初めてその偉大さが身に染みるのであった。
とはいっても、ドラマ的には、ライデッカーをあそこで殺すつもりなんか、なかったんでしょうね。第一死体があがってない。絶対どっかで復活させるはずだったと思うのだけど、その前に打ち切りになっちゃったんだろうな。
だいたいね、新たなる敵が交配カルトだなんて、いままで築いてきた世界観と、馴染まないにもほどがある。
恐らく、当初の予定では、敵はあくまで「アメリカ政府」だったのだと思います。マンティコアのような非人道的な研究組織に税金をつぎ込む「国家アメリカ」は、その隠蔽にも、新たな類似組織の開発にも、変わることなき冷酷ぶりを発揮したのだろうと思うのです。ところが、911後のネオ・ナショナリズムの発動により、国家を悪役に見立てる設定が成立し難くなったんだと思う。だから、敵はあくまで民間組織、ということでの交配カルトだったのでしょう。
世界観に馴染まないと言えば、シーズン2から登場するフリークス系のジェネティックスたちにも、脱力を禁じ得ません。
かれらは、選び抜かれた最高の遺伝子を使って、戦闘能力のみならず、頭脳も容姿も最高の存在として創り上げられたマックスたちX5シリーズとは、明らかに文脈が異なる存在です。もちろん、トカゲだの人魚だのなんだのかんだのだって、それぞれの存在にそれなりの理由付けをしようと思えばいくらでもできるでしょうが、そんなもの、こんなの出てきたら絵的に面白いぜ、という程度の悪乗りにしか思えない。
ジェネティックスは、どんなに優秀でも美しくても気高い精神を持っていても、ただ単に「人間とはちがう」という、その一点のみをもって、人間社会には受け入れられない存在なのです。死に物狂いで努力したって、身体をはって命をかけたって、そんなの全然関係ない。シーズン1ではその主張は明確でしたが、おふざけのようなフリークスがわんさか出てきたシーズン2では、そんな主張も悲劇性も曖昧になってしまいました。
あと、使い捨てのエピソードが多すぎるのも、ストーリー展開をもたついたものにさせ、結局は最後までお話を語らせてもらえなかった要因になったと思います。
夢オチのハロウィンのエピソードは論外としても、その一話のみの設定で、後に続かない話が多すぎる。複数いる脚本家が前後の繋がりになどおかまいなしに、好き勝手に自分のやりたい話だけを書いたような印象です。
ただ、打ち切りになってよかった、と思わんでもない要素が一つだけあります。ザックです。ザックも、死体があがらなかったライデッカー同様、画面から退場した後も、存在自体は温存されたキャラクターですから、続きがあるなら、必ずどっかで再登場させられたことでしょう。だけど、あの子は、いままで十分やってくれたから、農場で平凡に勤労青少年として暮らしていて、かれにとってそれが幸せなら、もう戦いの場にひきずりだしてほしくないと思うのです。
ザックって、ほんと、いい子でした、顔はちょっとコワイけど(笑)。脱走した12人のリーダーとして、常に仲間を気にかけて守ろうとする、責任感の強いやつ。その分、ちょっと押し付けがましいとこもあったけど、マックスのことは本気で愛していたんだよね。
かれがその使命感や、愛情のために、ボロボロになっていくのを観てるのは、ほんとに辛かった。心臓移植が必要なマックスに自分の心臓を提供するために、頭を打ち抜いて死んだとき、その心情を哀れに思うと同時に、これでやっとかれも楽になれると思ったというのに、また脚本家にもて遊ばれた……。死んだはずのザック、サイボーグとなって復活! の話では、なんだか怒りすら感じました。大体、あの話って、ザックを使ってターミネーターのパロディがやりたかっただけぢゃん。そんな悪乗り脚本のために、ザックだけじゃなく、マックスだってすっごい辛い思いをさせられたんだよっ(>_<)!
そして、相変わらず、ローガンは気に入らなかったです(笑)。
そもそもローガンというキャラクターの面白み、っていうのは、ひとえにかれが、肉体的には弱者である、ってとこにあったのではありませんか? 圧倒的に強いフィジカルを誇るヒロインに対し、車椅子を必要とする肉体的弱者ではあるけれど、鋭い頭脳と当局にも匹敵する情報収集力でもってヒロインに拮抗する存在である、ってところが見所だったはず。肉体的弱者のアイズ・オンリーは、X5とは逆のベクトル上にある、ジェネティックス的もののメタファーでした。なのに、後半、話はおかしなことに。
なんだかなし崩し的に、スケルトン装着→歩行可能に→ジョシュアの血を輸血→身体機能の回復→スケルトン本来の機能を発揮→超人的アクション! へと移行してしまった。おかげで、戦闘訓練を受けたことすらないインテリメガネのくせに、X5と互角に肉弾戦を繰り広げる始末。だれもローガンにアクションなんか期待してないっつーに。ヒロインの相手役なんだからアクション的見せ場もほしい、なんて、発想として安易すぎる。
……や、単に白木庵、ローガンがアレックより強かったから、むかついてるだけかもしれませんけど(汗)。
肝心のマックスとの「もどかしい恋」の描写も、苛立たしくも腹立たしい(笑)。
ローガンとマックスの設定年齢が幾つなのか知りませんが、中のひとたちには一回りの年齢差があるんですから、ローガンとマックスだってそれなりの年の差カップルのはずです。しかも研究所育ちのマックスには年齢より幼い部分があるのに対し、ローガンは離婚経験者。なにが言いたいかというと、精神的に圧倒的に大人であるはずのあんたが、関係をリードしなくてどうするよっ(>_<)! ってことです。
ローガンをピンポイントターゲットにして発症するウィルスのために、互いに触れ合うことすらできない関係、という外的要因の辛さは辛さとして、というより、そういう辛さがあるならばより一層、「なにがあっても、ぼくはきみを愛しているよ! 全力をかけてきみのことを守るつもりだ!」ってことを、声高に力強く凛々しく雄々しくアピールしないとダメでしょうが! マックスがあまりに健気すぎるので、相変わらず煮え切らないローガンの態度が、うざくてしょうがありません(笑)。
アーシャなんて女に平気でまわりをチョロチョロさせとく無神経さも腹立たしいわ。
ええ、わたし、マックスの味方ですから!
というわけで、わたしはマックスに、ローガンなんかにはさっさと見切りをつけて、アレックに乗り換えることを強く勧めたいと思います(笑)。
だって、マックスとアレックって、お雛様みたいに愛らしいカップルなんですもん(>_<)!
アレックは、シーズン1に出てきたベンのふたごの兄弟です。ふたごというけど、ジェネティックスの場合、それってクローン体のことなんですね。ジョシュアにもマックスにもそういう存在がいました。ベンとアレックじゃどっちがオリジナルなのかわかりませんが、とにかくアレックは、ベンたちが逃走したために、マンティコアでは辛酸を舐めさせられた上に、精神的にも肉体的にも過酷な任務に就かされてきたらしい。
アレックの辛い過去については、11話の「ピアノ・レッスン」(オリジナルタイトルは「The Berristord Agenda」)で詳細に語られています。マンティコアと取引のある企業トップを口封じ目的で暗殺するため、ピアノ教師として男の家に潜入したアレックは、男の娘と本気の恋に落ちてしまうのだった――――、という、平凡なストーリーのお話ですが、アレックのビジュアルがすごい(笑)。メガネにスーツ姿なんですもん、クルクル踊ってしまいましたわ(≧▽≦)! ……ローガンなんて、毎日メガネかけてても、インテリメガネと切り捨てるくせに、ちょっとアレックがメガネかけると、これですものね。われながら、いやぁね。
ビジュアルといえば、ダーク・エンジェルって、さりげなくファッションがかわいいですよね。マックスやシンディやアーシャといった女性陣のカジュアルなファッションがかわいいのはもちろんとして、スケッチーたちジャム・ポニー・メッセンジャーの配達ルックもとてもかわいい。そのかわいい配達ルックを身に着けたアレックは、言うまでもなく、ものっそかわいい(笑)。『スーパーナチュラル』の衣装って、いつもモッサリしたアメカジなので、「ファッションセンスのいいジェンセン」を観られるのは、この上ない目の保養です♪
ええと、話がそれましたが、そんな辛い過去を胸に秘めながら、研究所育ちとはとても思えないほど世間擦れしたアレックは、軽薄な小悪党、口達者なお調子者、といった仮面の下に、傷ついた優しい心を隠しています。日々の偽悪的なふるまいの数々に、行動を共にすることが多いマックスは、いつもカリカリさせられっぱなし(笑)。
マックスって、ほんとに、すごい、と思います。だってこんなかわいいアレックが、頼みもしないのにまわりをチョロチョロしてるのに、全く心を動かされる様子がないんですもの。容赦なく頭をはたいたりするのよ? あの、あんたなんか完全に眼中にないわっぷりは、まさに天晴れとしか言いようがないです。わたくし、今後、尊敬するひとは? と訊かれたら、ためらわずマックス・ゲバラと答えたいと思います。
そんなふたりにもシリアスになる瞬間が。ベンの犯した殺人の犯人として誤認逮捕された後、マックスに救出されたアレックは、マックスにベンのことを尋ねます。マックスは躊躇った後、苦しげにベンとの顛末を告白します。アレックは衝撃を受けますが、マックスの苦衷を思いやり、そっと彼女を抱きしめて、頭のてっぺんにキスをする。全く性的なものを含まない、純粋に仲間としての、この上なく優しい仕種です。天使降臨! と思わずにはいられない瞬間です。
天使というなら、もうひとつ。
ジェネティックスのプロトタイプであるジョシュアは、犬の遺伝子が強く発現しすぎてしまった異形の者です。その姿が人間に恐れられるとして、マックスはかれに隠れ住むことを強いる。しかし、ジョシュアの姿を恐れない人間もいました。盲目の少女、アニーです。それなのにジョシュアは、せっかく友だちになれたアニーを、交配カルトのホワイトに殺されてしまうのでした。悲嘆に沈むジョシュアを、なすすべもなく見守るマックスとアレック。ふたりはやがて、どちらからともなく、そっとジュシュアを抱きしめるのでした――――。
この三人のシーンがね、どこのラファエロの宗教画ですか!? と言いたくなるような、壮絶に美しくも優しい絵柄なんであります。ああ、天使ってほんとにいるんだ(>_<)! って思ってしまう場面です。
ところで、『スーパーナチュラル』でのジェンセン・アクレスは、2メートル近い巨漢であるジャレッド・パダレッキとのツーショットが断然多いです。そんなかれが、普通サイズのほかの共演者や、ましてや小柄なジェシカ・アルバと一緒にいると、どうにもこちらのスケールセンスが狂ってしまいます。なので、アレックがでかいジョシュアと一緒にいると、見ていてなんとなく落ち着いてしまうのでした(笑)。
長い長いたわごとに、おつきあいいただき、ありがとうございました(笑)。
ジェンセン・アクレス、レギュラー(≧▽≦)!
シーズン1を観た時点では、こんな大傑作ドラマが中途打ち切りだなんて、一体なにがあったんだ!? と心底不思議でたまらなかったのですが、シーズン2を観てみると、残念ながらどうして打ち切りになってしまったのか、なんとなくわかってしまえるような出来栄えでした……。ドラマのクオリティが、ものっそ低下しとる……。それこそ一体なにがあったんだ……(911です)。
悪くなった原因は色々あるかと思いますが、何が一番いけないって、ストーリーが求心力を失って、話があちゃこちゃバラけてしまってるのが最悪かもしれない。
シーズン1では、圧倒的に強大な敵からの、自由を求めてのサバイバル逃走劇、というコンセプトがしっかりしてましたから、エピソードの一つ一つに必然性と連続性があり、マックスやその他のX5たちの行動にも説得力があり、シンパシィも(思いっきり)感じられたのですが、シーズン2には、それがない……。
マンティコアが破壊されたあとの、敵の設定に失敗したのが大きな要因だろうと思います。それだけマンティコアという組織の不気味さや、恐ろしさや、強大さが、シーズン1では巧みに描写されていたわけで、特に、敵役の要、ライデッカーというキャラはやはり出色だったのだなぁ、と、亡くなって初めてその偉大さが身に染みるのであった。
とはいっても、ドラマ的には、ライデッカーをあそこで殺すつもりなんか、なかったんでしょうね。第一死体があがってない。絶対どっかで復活させるはずだったと思うのだけど、その前に打ち切りになっちゃったんだろうな。
だいたいね、新たなる敵が交配カルトだなんて、いままで築いてきた世界観と、馴染まないにもほどがある。
恐らく、当初の予定では、敵はあくまで「アメリカ政府」だったのだと思います。マンティコアのような非人道的な研究組織に税金をつぎ込む「国家アメリカ」は、その隠蔽にも、新たな類似組織の開発にも、変わることなき冷酷ぶりを発揮したのだろうと思うのです。ところが、911後のネオ・ナショナリズムの発動により、国家を悪役に見立てる設定が成立し難くなったんだと思う。だから、敵はあくまで民間組織、ということでの交配カルトだったのでしょう。
世界観に馴染まないと言えば、シーズン2から登場するフリークス系のジェネティックスたちにも、脱力を禁じ得ません。
かれらは、選び抜かれた最高の遺伝子を使って、戦闘能力のみならず、頭脳も容姿も最高の存在として創り上げられたマックスたちX5シリーズとは、明らかに文脈が異なる存在です。もちろん、トカゲだの人魚だのなんだのかんだのだって、それぞれの存在にそれなりの理由付けをしようと思えばいくらでもできるでしょうが、そんなもの、こんなの出てきたら絵的に面白いぜ、という程度の悪乗りにしか思えない。
ジェネティックスは、どんなに優秀でも美しくても気高い精神を持っていても、ただ単に「人間とはちがう」という、その一点のみをもって、人間社会には受け入れられない存在なのです。死に物狂いで努力したって、身体をはって命をかけたって、そんなの全然関係ない。シーズン1ではその主張は明確でしたが、おふざけのようなフリークスがわんさか出てきたシーズン2では、そんな主張も悲劇性も曖昧になってしまいました。
あと、使い捨てのエピソードが多すぎるのも、ストーリー展開をもたついたものにさせ、結局は最後までお話を語らせてもらえなかった要因になったと思います。
夢オチのハロウィンのエピソードは論外としても、その一話のみの設定で、後に続かない話が多すぎる。複数いる脚本家が前後の繋がりになどおかまいなしに、好き勝手に自分のやりたい話だけを書いたような印象です。
ただ、打ち切りになってよかった、と思わんでもない要素が一つだけあります。ザックです。ザックも、死体があがらなかったライデッカー同様、画面から退場した後も、存在自体は温存されたキャラクターですから、続きがあるなら、必ずどっかで再登場させられたことでしょう。だけど、あの子は、いままで十分やってくれたから、農場で平凡に勤労青少年として暮らしていて、かれにとってそれが幸せなら、もう戦いの場にひきずりだしてほしくないと思うのです。
ザックって、ほんと、いい子でした、顔はちょっとコワイけど(笑)。脱走した12人のリーダーとして、常に仲間を気にかけて守ろうとする、責任感の強いやつ。その分、ちょっと押し付けがましいとこもあったけど、マックスのことは本気で愛していたんだよね。
かれがその使命感や、愛情のために、ボロボロになっていくのを観てるのは、ほんとに辛かった。心臓移植が必要なマックスに自分の心臓を提供するために、頭を打ち抜いて死んだとき、その心情を哀れに思うと同時に、これでやっとかれも楽になれると思ったというのに、また脚本家にもて遊ばれた……。死んだはずのザック、サイボーグとなって復活! の話では、なんだか怒りすら感じました。大体、あの話って、ザックを使ってターミネーターのパロディがやりたかっただけぢゃん。そんな悪乗り脚本のために、ザックだけじゃなく、マックスだってすっごい辛い思いをさせられたんだよっ(>_<)!
そして、相変わらず、ローガンは気に入らなかったです(笑)。
そもそもローガンというキャラクターの面白み、っていうのは、ひとえにかれが、肉体的には弱者である、ってとこにあったのではありませんか? 圧倒的に強いフィジカルを誇るヒロインに対し、車椅子を必要とする肉体的弱者ではあるけれど、鋭い頭脳と当局にも匹敵する情報収集力でもってヒロインに拮抗する存在である、ってところが見所だったはず。肉体的弱者のアイズ・オンリーは、X5とは逆のベクトル上にある、ジェネティックス的もののメタファーでした。なのに、後半、話はおかしなことに。
なんだかなし崩し的に、スケルトン装着→歩行可能に→ジョシュアの血を輸血→身体機能の回復→スケルトン本来の機能を発揮→超人的アクション! へと移行してしまった。おかげで、戦闘訓練を受けたことすらないインテリメガネのくせに、X5と互角に肉弾戦を繰り広げる始末。だれもローガンにアクションなんか期待してないっつーに。ヒロインの相手役なんだからアクション的見せ場もほしい、なんて、発想として安易すぎる。
……や、単に白木庵、ローガンがアレックより強かったから、むかついてるだけかもしれませんけど(汗)。
肝心のマックスとの「もどかしい恋」の描写も、苛立たしくも腹立たしい(笑)。
ローガンとマックスの設定年齢が幾つなのか知りませんが、中のひとたちには一回りの年齢差があるんですから、ローガンとマックスだってそれなりの年の差カップルのはずです。しかも研究所育ちのマックスには年齢より幼い部分があるのに対し、ローガンは離婚経験者。なにが言いたいかというと、精神的に圧倒的に大人であるはずのあんたが、関係をリードしなくてどうするよっ(>_<)! ってことです。
ローガンをピンポイントターゲットにして発症するウィルスのために、互いに触れ合うことすらできない関係、という外的要因の辛さは辛さとして、というより、そういう辛さがあるならばより一層、「なにがあっても、ぼくはきみを愛しているよ! 全力をかけてきみのことを守るつもりだ!」ってことを、声高に力強く凛々しく雄々しくアピールしないとダメでしょうが! マックスがあまりに健気すぎるので、相変わらず煮え切らないローガンの態度が、うざくてしょうがありません(笑)。
アーシャなんて女に平気でまわりをチョロチョロさせとく無神経さも腹立たしいわ。
ええ、わたし、マックスの味方ですから!
というわけで、わたしはマックスに、ローガンなんかにはさっさと見切りをつけて、アレックに乗り換えることを強く勧めたいと思います(笑)。
だって、マックスとアレックって、お雛様みたいに愛らしいカップルなんですもん(>_<)!
アレックは、シーズン1に出てきたベンのふたごの兄弟です。ふたごというけど、ジェネティックスの場合、それってクローン体のことなんですね。ジョシュアにもマックスにもそういう存在がいました。ベンとアレックじゃどっちがオリジナルなのかわかりませんが、とにかくアレックは、ベンたちが逃走したために、マンティコアでは辛酸を舐めさせられた上に、精神的にも肉体的にも過酷な任務に就かされてきたらしい。
アレックの辛い過去については、11話の「ピアノ・レッスン」(オリジナルタイトルは「The Berristord Agenda」)で詳細に語られています。マンティコアと取引のある企業トップを口封じ目的で暗殺するため、ピアノ教師として男の家に潜入したアレックは、男の娘と本気の恋に落ちてしまうのだった――――、という、平凡なストーリーのお話ですが、アレックのビジュアルがすごい(笑)。メガネにスーツ姿なんですもん、クルクル踊ってしまいましたわ(≧▽≦)! ……ローガンなんて、毎日メガネかけてても、インテリメガネと切り捨てるくせに、ちょっとアレックがメガネかけると、これですものね。われながら、いやぁね。
ビジュアルといえば、ダーク・エンジェルって、さりげなくファッションがかわいいですよね。マックスやシンディやアーシャといった女性陣のカジュアルなファッションがかわいいのはもちろんとして、スケッチーたちジャム・ポニー・メッセンジャーの配達ルックもとてもかわいい。そのかわいい配達ルックを身に着けたアレックは、言うまでもなく、ものっそかわいい(笑)。『スーパーナチュラル』の衣装って、いつもモッサリしたアメカジなので、「ファッションセンスのいいジェンセン」を観られるのは、この上ない目の保養です♪
ええと、話がそれましたが、そんな辛い過去を胸に秘めながら、研究所育ちとはとても思えないほど世間擦れしたアレックは、軽薄な小悪党、口達者なお調子者、といった仮面の下に、傷ついた優しい心を隠しています。日々の偽悪的なふるまいの数々に、行動を共にすることが多いマックスは、いつもカリカリさせられっぱなし(笑)。
マックスって、ほんとに、すごい、と思います。だってこんなかわいいアレックが、頼みもしないのにまわりをチョロチョロしてるのに、全く心を動かされる様子がないんですもの。容赦なく頭をはたいたりするのよ? あの、あんたなんか完全に眼中にないわっぷりは、まさに天晴れとしか言いようがないです。わたくし、今後、尊敬するひとは? と訊かれたら、ためらわずマックス・ゲバラと答えたいと思います。
そんなふたりにもシリアスになる瞬間が。ベンの犯した殺人の犯人として誤認逮捕された後、マックスに救出されたアレックは、マックスにベンのことを尋ねます。マックスは躊躇った後、苦しげにベンとの顛末を告白します。アレックは衝撃を受けますが、マックスの苦衷を思いやり、そっと彼女を抱きしめて、頭のてっぺんにキスをする。全く性的なものを含まない、純粋に仲間としての、この上なく優しい仕種です。天使降臨! と思わずにはいられない瞬間です。
天使というなら、もうひとつ。
ジェネティックスのプロトタイプであるジョシュアは、犬の遺伝子が強く発現しすぎてしまった異形の者です。その姿が人間に恐れられるとして、マックスはかれに隠れ住むことを強いる。しかし、ジョシュアの姿を恐れない人間もいました。盲目の少女、アニーです。それなのにジョシュアは、せっかく友だちになれたアニーを、交配カルトのホワイトに殺されてしまうのでした。悲嘆に沈むジョシュアを、なすすべもなく見守るマックスとアレック。ふたりはやがて、どちらからともなく、そっとジュシュアを抱きしめるのでした――――。
この三人のシーンがね、どこのラファエロの宗教画ですか!? と言いたくなるような、壮絶に美しくも優しい絵柄なんであります。ああ、天使ってほんとにいるんだ(>_<)! って思ってしまう場面です。
ところで、『スーパーナチュラル』でのジェンセン・アクレスは、2メートル近い巨漢であるジャレッド・パダレッキとのツーショットが断然多いです。そんなかれが、普通サイズのほかの共演者や、ましてや小柄なジェシカ・アルバと一緒にいると、どうにもこちらのスケールセンスが狂ってしまいます。なので、アレックがでかいジョシュアと一緒にいると、見ていてなんとなく落ち着いてしまうのでした(笑)。
長い長いたわごとに、おつきあいいただき、ありがとうございました(笑)。
by shirakian
| 2008-10-26 22:00
| 海外ドラマ