2007年 09月 26日
ドン
|
マサラというのは時間の単位です。一マサラは概ね3時間。
「その映画長いの?」「うん。一マサラ弱あるよ」
という風に使います。
というのは白木庵のまわりにだけ通用しているローカルルールで、マサラとはもちろん、マサラ・ムービーのことです。スパイスを表すウルドゥ語のmasalaが語源です。恋あり冒険あり笑いありの波瀾万丈のストーリーの合間に、歌や踊りの大サービスが入るノリノリの娯楽大作。ラジニ・カーントの『ムトゥ・踊るマハラジャ』が有名ですね。
さて『ドン』ですが、インドのキムタクと呼ばれたシャールク・カーン主演。
さすが国民的スター、ロケだって力はいってます! オープニングはボンジュール・パリ! そして主舞台はマレーシア。世界一タワー(いまはもう世界一じゃないですね)をたっぷり使った迫力の映像満載。もちろん、マサラには欠かせない「インドの農村風景」もちゃあんと出てきます。やっぱ牛とニワトリは押さえとかなきゃね!
黒社会の大ボスの右腕、ドンは非情な男。眉一つ動かさず人が殺せる憎いやつ。
麻薬取引の現場を押さえられたドンは、警察とカーチェイスを繰り広げた挙げ句、意識不明の重態になって警察に身柄を押さえられてしまいます。
ところが世界には自分と同じ顔した人間が七人いるらしい。なんと、すばらしく都合のいいことに、ドンを追う警部が昔担当した事件の関係者の中にも、ドンのそっくりさんがいたのでした!
という大らかな(笑)設定のもと、警察の依頼(脅しとも言う)により、情報収集のためドンになりすましたそっくりさんの受難劇をベースに、裏切りに次ぐ裏切り、だれが味方で敵なのか、どんでん返しにどんでん返し、かわいい恋なんかもはさみつつ、クラブのシーンや祭のシーンは、待ってましたとばかりの大レビュー、歌って踊って豪華絢爛。……頼む、ちょっと休ませて(笑)。
香港ノワールと007シリーズとちょっと古いアメリカの刑事物のテレビシリーズを足して全然割らない上に、宝塚歌劇のレビューを追加したような感じ、と言えば、わかりやすいでしょうか、いいえちっともわかりませんが。
インドは今でもキスシーンはタブーです。「ギャングスターをワケあり美女が誘惑する」というような濃厚な濡れ場シーンでも、歌って踊ってみなさんのご想像にお任せします。これがインド的デリカシー。
リチャード・ギアさんはわかりましたか?
かつてナンバーワン・アイドルだったシャールク・カーンが(や、いまでもそうなのかもしれませんが、さすがにもうアイドルというお年ではないです)、まさかの大悪人を演じたのがとても新鮮でした。悪役でも、それなりの美学や言い分のある悪役じゃなくて、ほんとに憎たらしい悪人の役なんです。キムタクが越後屋を演じるようなものですか。越後屋って一体……。
ところで、一昔前までは「インド女優は息をのむほど美しいが、如何せん太すぎる」とお嘆きの諸兄もいらしたようですが、最近じゃ全然そんなことはないです。この映画の女優さんも、スタイル抜群。そしてその上、息をのむほど美しいです。ハラショー。
その分、インドハンサムはインド人以外にはびっくり、な造形の方が多いのですが、この映画は、脇役ですが一人、ヒュー・ジャックマンを思わせる、とてもわかりやすいハンサムさんが出ててくれたので目の保養でした。もう、こんな人がいるなら早く出してよ(笑)! インドハンサムまで追っかけてたら身が持ちませんので、きみの名は聞かない。でも、ほんと、ハンサムだったね、ありがとう(笑)。
追記:アルジュン・ランパールという人らしいです。インドのヒュー・ジャックマン。
「その映画長いの?」「うん。一マサラ弱あるよ」
という風に使います。
というのは白木庵のまわりにだけ通用しているローカルルールで、マサラとはもちろん、マサラ・ムービーのことです。スパイスを表すウルドゥ語のmasalaが語源です。恋あり冒険あり笑いありの波瀾万丈のストーリーの合間に、歌や踊りの大サービスが入るノリノリの娯楽大作。ラジニ・カーントの『ムトゥ・踊るマハラジャ』が有名ですね。
さて『ドン』ですが、インドのキムタクと呼ばれたシャールク・カーン主演。
さすが国民的スター、ロケだって力はいってます! オープニングはボンジュール・パリ! そして主舞台はマレーシア。世界一タワー(いまはもう世界一じゃないですね)をたっぷり使った迫力の映像満載。もちろん、マサラには欠かせない「インドの農村風景」もちゃあんと出てきます。やっぱ牛とニワトリは押さえとかなきゃね!
黒社会の大ボスの右腕、ドンは非情な男。眉一つ動かさず人が殺せる憎いやつ。
麻薬取引の現場を押さえられたドンは、警察とカーチェイスを繰り広げた挙げ句、意識不明の重態になって警察に身柄を押さえられてしまいます。
ところが世界には自分と同じ顔した人間が七人いるらしい。なんと、すばらしく都合のいいことに、ドンを追う警部が昔担当した事件の関係者の中にも、ドンのそっくりさんがいたのでした!
という大らかな(笑)設定のもと、警察の依頼(脅しとも言う)により、情報収集のためドンになりすましたそっくりさんの受難劇をベースに、裏切りに次ぐ裏切り、だれが味方で敵なのか、どんでん返しにどんでん返し、かわいい恋なんかもはさみつつ、クラブのシーンや祭のシーンは、待ってましたとばかりの大レビュー、歌って踊って豪華絢爛。……頼む、ちょっと休ませて(笑)。
香港ノワールと007シリーズとちょっと古いアメリカの刑事物のテレビシリーズを足して全然割らない上に、宝塚歌劇のレビューを追加したような感じ、と言えば、わかりやすいでしょうか、いいえちっともわかりませんが。
インドは今でもキスシーンはタブーです。「ギャングスターをワケあり美女が誘惑する」というような濃厚な濡れ場シーンでも、歌って踊ってみなさんのご想像にお任せします。これがインド的デリカシー。
リチャード・ギアさんはわかりましたか?
かつてナンバーワン・アイドルだったシャールク・カーンが(や、いまでもそうなのかもしれませんが、さすがにもうアイドルというお年ではないです)、まさかの大悪人を演じたのがとても新鮮でした。悪役でも、それなりの美学や言い分のある悪役じゃなくて、ほんとに憎たらしい悪人の役なんです。キムタクが越後屋を演じるようなものですか。越後屋って一体……。
ところで、一昔前までは「インド女優は息をのむほど美しいが、如何せん太すぎる」とお嘆きの諸兄もいらしたようですが、最近じゃ全然そんなことはないです。この映画の女優さんも、スタイル抜群。そしてその上、息をのむほど美しいです。ハラショー。
その分、インドハンサムはインド人以外にはびっくり、な造形の方が多いのですが、この映画は、脇役ですが一人、ヒュー・ジャックマンを思わせる、とてもわかりやすいハンサムさんが出ててくれたので目の保養でした。もう、こんな人がいるなら早く出してよ(笑)! インドハンサムまで追っかけてたら身が持ちませんので、きみの名は聞かない。でも、ほんと、ハンサムだったね、ありがとう(笑)。
追記:アルジュン・ランパールという人らしいです。インドのヒュー・ジャックマン。
by shirakian
| 2007-09-26 21:47
| 映画た行