2011年 09月 07日
【海外ドラマ】FBI 失踪者を追え!/シーズン2
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★ネタバレ注意★
■FBI 失踪者を追え!/シーズン1
シーズン2観ました。
相変わらず、ひとりの人間の失踪という事件の背後に、様々な社会問題を織り込みつつ、多彩なドラマを展開していく手腕はお見事。だれもが秘密を抱えてる。だれもが嘘をついている。
シーズン1では、CSI:NYのシドとアダム(の中のひと)がゲスト出演していて大喜びだったのですが、今シーズンにはなんとハウスのカディ(リサ・エデルシュタイン)が(笑)! しかも、彼女が演じた役は、子どもがほしいシングルの女医、というカディの前哨のようなキャラクターだったのであります。楽しかった☆
あとゲストキャラで目だったのは、苛められっこの高校生を演じたアントン・イェルチンとか、冤罪で死刑判決を宣告された息子を救おうと奔走する父親を演じたJK・シモンズとか、ちょっと小粋な詐欺師を演じたデクスター・パパ(ジェームズ・レマー)とか☆
折り目正しいFBIエージェントが主人公のこの番組、総じてまじめでお行儀のいい演出ですが、子どもの残酷さを容赦なく描き出したり、政府の政策に対する視線が結構辛辣だったり、社会を見つめる視線はなかなかどうして甘くないです。また、ドラマの作り方についても、割と観客を突き放すような展開だったりする。
たとえば、連続殺人犯の兄が、一卵性双生児の弟の飲酒癖につけこんで、弟に罪をきせようとするという卑劣な事件がありました。ジャックたち捜査陣は、弟は兄に騙されて罪を犯したと思いこまされているだけで、真犯人は兄である、という事実を察知したにもかかわらず、ふたりのDNAが完全に一致するために、兄の犯罪であることを立証できません。普通、こうしたケースでは、ギリギリのところで弟に何らかの救済がもたらされるはずのところ、結局弟の自白をひっくり返すことができず、無罪とわかっている弟が検挙されてしまう、というエピソードがありました。
あるいはまた、軍隊を退役して商売を始め、フィアンセと結婚し、新しい生活を始めようとしていた青年が、予備役で再召集されたために、商売がダメになり、フィアンセの心も離れ、という鬱展開のエピソードがあったのですが、ここでもまた、国家のために戦った青年が何ら報われることなく、警官隊に射殺されるようしむけるという形で自殺する、というやりきれない結果となりました。
更には、上述したJK・シモンズ演じる父親が、コンビニ強盗を働いたという冤罪を着せられて死刑判決を受けた息子を救うため奔走した事件では、最後の土壇場になって父親が真犯人を見つけたにもかかわらず、結局処刑を指し止めるには間に合わなかった、という残酷な展開もありました。
そう言った話は枚挙に暇がなく、こう見えてなかなかシビアな作品世界なんであります。
だけど一方で、苛めにあっていた少年が自殺をはかろうとした事件で、死ぬために行方をくらました少年を必死の思いで探し回ったダニーが、すんでのところで食い止めることに成功し、人前もはばからずポロポロと涙をこぼすといったシーンもあったのです。日頃とにかくクールでシニカルなイメージのダニーですから、このシーンの涙は極めて印象的でした。
シーズン1から、ダニーの子どもに対する思いいれが強いことは描かれていましたが、このシーズンでは、そうしたかれの行動を決定づけているのが、かれの辛い少年時代の記憶であることが明かされていきます。
ダニーには、道を踏み外してしまった兄がいます。この兄は、ティーンの頃に出奔しており、ドラックに手を出し犯罪に足を取られ現在服役中であるらしい。その兄を仮出所させるための証言をしてほしいと兄の弁護士に頼まれたダニーはしかし、兄とはすでに縁を切ったのだと言って断ってしまう。ダニーにとっての兄は、幼い自分を見捨てて家を出た上に、勝手に身を持ち崩したどうしようもないロクデナシ、という認識だったのです。ダニーは兄を軽蔑していました。
しかし。兄の口から知らされた思いがけない真相。ダニーの両親は交通事故で亡くなっていますが、そのことに関してかれは、自分が事故を誘発し、結果として殺してしまったと思いこみ、引け目に感じていました。ところがその父親というのが、実は大変なDV野郎であり、ダニーに対しても、今でも傷が残るほどの暴力をふるっていたらしい。兄はそんな父親から幼いダニーを守るために常に盾になってきたのだけれど、ついに耐え切れず逃げ出してしまった、というのが真相だったのです。幼かったダニーは肝心なことを覚えていなかった。
結局ダニーは、愛するひとと出会い、本気で人生を立て直すことを望んでいる兄のために、証言をすることにします。その際、かれが自分の名前を名乗るシーンがとても印象的です。もちろん、ただ単に、「FBI捜査官のダニー・テイラーです」とあたりまえに名乗っただけなんですけれど、その名前と肩書きは極めて重い。
まず名前に関してですが、「ダニー・テイラー」という典型的アングロサクソン的名前は、かれのもともとの名前ではなく、改名したものだったのですね。そりゃそうだ、かれは流暢にスペイン語を操るラテン系の男。「テイラー」なんて姓のはずがない。久しぶりに再会して弟がこの名前を名乗ったとき、兄は思わず苦笑を浮かべてしまうのですが、兄にとってダニー・テイラーという名前は、たとえば典型的日本人容姿の女性がカトリーヌとかキャサリンとか名乗るのと同じぐらい違和感ありまくりだったことは想像に難くないです。ダニーとしては、それぐらい、もとの自分とは全く異なるアイデンティティを持つことにより、過去と決別したかったのだと思います。
そして肩書き。最初に兄の弁護士が尋ねて来たとき、ダニーは、「どうせFBIという肩書きを利用しようという魂胆だろう」とにべもなくはねつけるのです。FBIは信頼のブランド。身内にFBI捜査官がいるとなれば箔もつこうというもの。ダニーは恵まれない生い立ちの中から、苦労して努力してその信頼を勝ち取ったのです。ロクデナシの兄になんか安易に利用されてたまるか、という気持ち。でも、やがて、色々と知らなかった事実を知り、証言することを決意した後、その肩書きを名乗るダニーの口調は、大変誇らしげなものでした。自分が苦労して勝ち取ったこの肩書き、その名前の重みで兄を助けることができるのだ、と。色々考えさせられると同時に、大変いいシーンでありました。
あと、やはり印象的だったのは、ジャックの妻の転勤を巡るエピソードですね。
ジャック妻がシカゴに栄転することが決まるのです。かなりいいポストが得られたらしい。収入だって少なくはなさそう。そうは言っても、ジャックはNYに仕事があり、子どもたちの学校のことだってある。できれば思い留まってくれないか、ととりあえず言ってみるジャックでしたが、しかし妻は、あなたは自分のキャリアは大事でも、わたしのキャリアなんかどうでもいいんでしょ、とつっぱねる。
するとジャックは、妻のキャリアのために、自分もシカゴについていくことを選択します。シカゴに行ってもFBIをやめる必要はない、というのは強みだけれど、当然今と同等のポストがあるわけもなく、ヒラからの再スタートになってしまうにもかかわらず。ジャックというひとは、妻のために自分のキャリアを投げ打つようなタイプには見えませんので、この決断には観客以上に妻自身が驚く。
それというのも、もともと妻は、この転勤を機に、ジャックとは別れようと思っていたのです。妻はジャックに(というより、その仕事や、仕事への取り組みぶりに)ウンザリしていたっぽい。もちろん、ジャックの方にも、(事もあろうに自分の部下と)不倫関係にあった、という脛傷があるという事情もあるわけで。
自分から別れてくれと言わなくても、情況がこうなれば、ジャックから離れていくだろうと期待していた妻。それなのに、失踪班のチーフという地位を投げ打ってシカゴまでついてくると言いだすジャック。ついに観念して本音を告げる妻。昇りきった梯子をはずされるジャック。それがシーズン最終回の最後も最後。番組はこの後も尚続いていくし、キャストが入れ替わっている様子もないので、ジャックはNYに残って今までと同じ仕事を続けていくことになるのでしょうけれども、しかしかれの心中やいかに。
日本の現状を考えると、妻の仕事を優先して、それなりの地位にいる夫の方が自分のキャリアを棒に振る、というのは、そんなに一般的なことではないと思います(逆はいっぱいあるんだろうなぁ。夫の転勤で仕事をあきらめる妻。あるいは日本だと、家族で暮らすことをあきらめる、という選択を取るケースが多いんだろうな。アメリカ人は単身赴任とか、あんまりしなさそうだ)。なので、ジャックほどの地位にいるひとがこういう決断をする、というそのこと自体がまず面白かったのだけど、その後のあまりに哀れな展開がまた興味深かったです。……そう言えば、ホッチも妻に逃げられてるし(ホロリ)。かくなる上は、ヴィヴィアンには是非とも明るい家庭を堅持していってほしいものだと思います。
ジャックが抜けたあとの椅子には、ヴィヴィアンが座ることに決まって、ジャック以外のメンバーでヴィヴィアンのためにお祝いをする、というシーンがあったんだけど、恋愛フラッグが立っているマーティンとサマンサが連れ立って帰ってしまった後も、ヴィヴィアンとダニーが楽しそうに飲んでたシーンが印象的でした。だってダニーって、アル中を克服した身で、この7年間アルコールは口にしていないんですよ。この席も当然、ミネラルウォーターかなんかを飲んでる。なのにとっても楽しそう。しかも、ヴィヴィアンとは、それまでにも結構ふたりっきりで飲む機会があったっぽい。アルコールもないし、恋愛対象にもならない(ヴィヴィアンは魅力的だけど既婚者だからね)女性とふたりで、あんだけ楽しそうなダニーの心中やいかに?
最後にダニーでもうひとつ。
自己啓発セミナーのカリスマ講師が失踪するという事件で、捜査資料として押収された啓発ビデオをチェックしていたダニー、すっかり感心して見入っちゃってる風情。それだけでもおかしいんだけど、ケースがクローズしたあと、サマンサに押収資料のDVD、たくさんあるから一本もらって帰れば? と勧められて、ほんとに上着の下に隠して持って帰っちゃう(笑)。捜査プロトコルに則ると問題アリのシーンなのかもしれませんが、なかなかかわいくて、ほっこり楽しいシーンだったわけで、このシーンを観たとき、この番組の「なんとなく物足りない感」がどこから来ているのか、わたくし、ハッキリと自覚いたしました。そうだよ、ユーモアが足りない。圧倒的に足りない。こういうクスッと笑えるシーンがもっともっとたくさんあってもいいのに。
シーズン3を継続して見るかどうかは現在考え中です(そのくらいのテンションです)。
■FBI 失踪者を追え!/シーズン1
シーズン2観ました。
相変わらず、ひとりの人間の失踪という事件の背後に、様々な社会問題を織り込みつつ、多彩なドラマを展開していく手腕はお見事。だれもが秘密を抱えてる。だれもが嘘をついている。
シーズン1では、CSI:NYのシドとアダム(の中のひと)がゲスト出演していて大喜びだったのですが、今シーズンにはなんとハウスのカディ(リサ・エデルシュタイン)が(笑)! しかも、彼女が演じた役は、子どもがほしいシングルの女医、というカディの前哨のようなキャラクターだったのであります。楽しかった☆
あとゲストキャラで目だったのは、苛められっこの高校生を演じたアントン・イェルチンとか、冤罪で死刑判決を宣告された息子を救おうと奔走する父親を演じたJK・シモンズとか、ちょっと小粋な詐欺師を演じたデクスター・パパ(ジェームズ・レマー)とか☆
折り目正しいFBIエージェントが主人公のこの番組、総じてまじめでお行儀のいい演出ですが、子どもの残酷さを容赦なく描き出したり、政府の政策に対する視線が結構辛辣だったり、社会を見つめる視線はなかなかどうして甘くないです。また、ドラマの作り方についても、割と観客を突き放すような展開だったりする。
たとえば、連続殺人犯の兄が、一卵性双生児の弟の飲酒癖につけこんで、弟に罪をきせようとするという卑劣な事件がありました。ジャックたち捜査陣は、弟は兄に騙されて罪を犯したと思いこまされているだけで、真犯人は兄である、という事実を察知したにもかかわらず、ふたりのDNAが完全に一致するために、兄の犯罪であることを立証できません。普通、こうしたケースでは、ギリギリのところで弟に何らかの救済がもたらされるはずのところ、結局弟の自白をひっくり返すことができず、無罪とわかっている弟が検挙されてしまう、というエピソードがありました。
あるいはまた、軍隊を退役して商売を始め、フィアンセと結婚し、新しい生活を始めようとしていた青年が、予備役で再召集されたために、商売がダメになり、フィアンセの心も離れ、という鬱展開のエピソードがあったのですが、ここでもまた、国家のために戦った青年が何ら報われることなく、警官隊に射殺されるようしむけるという形で自殺する、というやりきれない結果となりました。
更には、上述したJK・シモンズ演じる父親が、コンビニ強盗を働いたという冤罪を着せられて死刑判決を受けた息子を救うため奔走した事件では、最後の土壇場になって父親が真犯人を見つけたにもかかわらず、結局処刑を指し止めるには間に合わなかった、という残酷な展開もありました。
そう言った話は枚挙に暇がなく、こう見えてなかなかシビアな作品世界なんであります。
だけど一方で、苛めにあっていた少年が自殺をはかろうとした事件で、死ぬために行方をくらました少年を必死の思いで探し回ったダニーが、すんでのところで食い止めることに成功し、人前もはばからずポロポロと涙をこぼすといったシーンもあったのです。日頃とにかくクールでシニカルなイメージのダニーですから、このシーンの涙は極めて印象的でした。
シーズン1から、ダニーの子どもに対する思いいれが強いことは描かれていましたが、このシーズンでは、そうしたかれの行動を決定づけているのが、かれの辛い少年時代の記憶であることが明かされていきます。
ダニーには、道を踏み外してしまった兄がいます。この兄は、ティーンの頃に出奔しており、ドラックに手を出し犯罪に足を取られ現在服役中であるらしい。その兄を仮出所させるための証言をしてほしいと兄の弁護士に頼まれたダニーはしかし、兄とはすでに縁を切ったのだと言って断ってしまう。ダニーにとっての兄は、幼い自分を見捨てて家を出た上に、勝手に身を持ち崩したどうしようもないロクデナシ、という認識だったのです。ダニーは兄を軽蔑していました。
しかし。兄の口から知らされた思いがけない真相。ダニーの両親は交通事故で亡くなっていますが、そのことに関してかれは、自分が事故を誘発し、結果として殺してしまったと思いこみ、引け目に感じていました。ところがその父親というのが、実は大変なDV野郎であり、ダニーに対しても、今でも傷が残るほどの暴力をふるっていたらしい。兄はそんな父親から幼いダニーを守るために常に盾になってきたのだけれど、ついに耐え切れず逃げ出してしまった、というのが真相だったのです。幼かったダニーは肝心なことを覚えていなかった。
結局ダニーは、愛するひとと出会い、本気で人生を立て直すことを望んでいる兄のために、証言をすることにします。その際、かれが自分の名前を名乗るシーンがとても印象的です。もちろん、ただ単に、「FBI捜査官のダニー・テイラーです」とあたりまえに名乗っただけなんですけれど、その名前と肩書きは極めて重い。
まず名前に関してですが、「ダニー・テイラー」という典型的アングロサクソン的名前は、かれのもともとの名前ではなく、改名したものだったのですね。そりゃそうだ、かれは流暢にスペイン語を操るラテン系の男。「テイラー」なんて姓のはずがない。久しぶりに再会して弟がこの名前を名乗ったとき、兄は思わず苦笑を浮かべてしまうのですが、兄にとってダニー・テイラーという名前は、たとえば典型的日本人容姿の女性がカトリーヌとかキャサリンとか名乗るのと同じぐらい違和感ありまくりだったことは想像に難くないです。ダニーとしては、それぐらい、もとの自分とは全く異なるアイデンティティを持つことにより、過去と決別したかったのだと思います。
そして肩書き。最初に兄の弁護士が尋ねて来たとき、ダニーは、「どうせFBIという肩書きを利用しようという魂胆だろう」とにべもなくはねつけるのです。FBIは信頼のブランド。身内にFBI捜査官がいるとなれば箔もつこうというもの。ダニーは恵まれない生い立ちの中から、苦労して努力してその信頼を勝ち取ったのです。ロクデナシの兄になんか安易に利用されてたまるか、という気持ち。でも、やがて、色々と知らなかった事実を知り、証言することを決意した後、その肩書きを名乗るダニーの口調は、大変誇らしげなものでした。自分が苦労して勝ち取ったこの肩書き、その名前の重みで兄を助けることができるのだ、と。色々考えさせられると同時に、大変いいシーンでありました。
あと、やはり印象的だったのは、ジャックの妻の転勤を巡るエピソードですね。
ジャック妻がシカゴに栄転することが決まるのです。かなりいいポストが得られたらしい。収入だって少なくはなさそう。そうは言っても、ジャックはNYに仕事があり、子どもたちの学校のことだってある。できれば思い留まってくれないか、ととりあえず言ってみるジャックでしたが、しかし妻は、あなたは自分のキャリアは大事でも、わたしのキャリアなんかどうでもいいんでしょ、とつっぱねる。
するとジャックは、妻のキャリアのために、自分もシカゴについていくことを選択します。シカゴに行ってもFBIをやめる必要はない、というのは強みだけれど、当然今と同等のポストがあるわけもなく、ヒラからの再スタートになってしまうにもかかわらず。ジャックというひとは、妻のために自分のキャリアを投げ打つようなタイプには見えませんので、この決断には観客以上に妻自身が驚く。
それというのも、もともと妻は、この転勤を機に、ジャックとは別れようと思っていたのです。妻はジャックに(というより、その仕事や、仕事への取り組みぶりに)ウンザリしていたっぽい。もちろん、ジャックの方にも、(事もあろうに自分の部下と)不倫関係にあった、という脛傷があるという事情もあるわけで。
自分から別れてくれと言わなくても、情況がこうなれば、ジャックから離れていくだろうと期待していた妻。それなのに、失踪班のチーフという地位を投げ打ってシカゴまでついてくると言いだすジャック。ついに観念して本音を告げる妻。昇りきった梯子をはずされるジャック。それがシーズン最終回の最後も最後。番組はこの後も尚続いていくし、キャストが入れ替わっている様子もないので、ジャックはNYに残って今までと同じ仕事を続けていくことになるのでしょうけれども、しかしかれの心中やいかに。
日本の現状を考えると、妻の仕事を優先して、それなりの地位にいる夫の方が自分のキャリアを棒に振る、というのは、そんなに一般的なことではないと思います(逆はいっぱいあるんだろうなぁ。夫の転勤で仕事をあきらめる妻。あるいは日本だと、家族で暮らすことをあきらめる、という選択を取るケースが多いんだろうな。アメリカ人は単身赴任とか、あんまりしなさそうだ)。なので、ジャックほどの地位にいるひとがこういう決断をする、というそのこと自体がまず面白かったのだけど、その後のあまりに哀れな展開がまた興味深かったです。……そう言えば、ホッチも妻に逃げられてるし(ホロリ)。かくなる上は、ヴィヴィアンには是非とも明るい家庭を堅持していってほしいものだと思います。
ジャックが抜けたあとの椅子には、ヴィヴィアンが座ることに決まって、ジャック以外のメンバーでヴィヴィアンのためにお祝いをする、というシーンがあったんだけど、恋愛フラッグが立っているマーティンとサマンサが連れ立って帰ってしまった後も、ヴィヴィアンとダニーが楽しそうに飲んでたシーンが印象的でした。だってダニーって、アル中を克服した身で、この7年間アルコールは口にしていないんですよ。この席も当然、ミネラルウォーターかなんかを飲んでる。なのにとっても楽しそう。しかも、ヴィヴィアンとは、それまでにも結構ふたりっきりで飲む機会があったっぽい。アルコールもないし、恋愛対象にもならない(ヴィヴィアンは魅力的だけど既婚者だからね)女性とふたりで、あんだけ楽しそうなダニーの心中やいかに?
最後にダニーでもうひとつ。
自己啓発セミナーのカリスマ講師が失踪するという事件で、捜査資料として押収された啓発ビデオをチェックしていたダニー、すっかり感心して見入っちゃってる風情。それだけでもおかしいんだけど、ケースがクローズしたあと、サマンサに押収資料のDVD、たくさんあるから一本もらって帰れば? と勧められて、ほんとに上着の下に隠して持って帰っちゃう(笑)。捜査プロトコルに則ると問題アリのシーンなのかもしれませんが、なかなかかわいくて、ほっこり楽しいシーンだったわけで、このシーンを観たとき、この番組の「なんとなく物足りない感」がどこから来ているのか、わたくし、ハッキリと自覚いたしました。そうだよ、ユーモアが足りない。圧倒的に足りない。こういうクスッと笑えるシーンがもっともっとたくさんあってもいいのに。
シーズン3を継続して見るかどうかは現在考え中です(そのくらいのテンションです)。
by shirakian
| 2011-09-07 21:45
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