2008年 11月 08日
レッドクリフ Part I
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これは、いいなぁ、すごく楽しかったです♪
白木庵、三国志はちょびっとだけマニアだったりしたので、あまりにも定石通りにやられても退屈するだろうし、だからってあまりにもトンデモ演出では白けるだろうし、楽しめるかしらどうかしら、とかなり心配だったのですが、わたし的には大当たりでした。ウー先生、ほんとにどうもありがとう(≧▽≦)!
なにがいいって、雰囲気がとっても明るいのがいいです。
まんがちっくな演出をしているわけではなく、悪ふざけをしているわけでもないのですが、無用な悲壮感がなく、元気で前向きなキャラクターたちが、どのひとりをとっても、とても好感度が高くて素敵です。
関羽と張飛にはビックリですね。よくもまあ、あんな、講談のイメージそのまんまの役者さんを見つけてきたものだ。あのふたりのビジュアルさえ押さえておけば、あとは、キャスティングで遊ぶのもアリだなと思いました。
ところが実は、あまり「遊び」がないキャスティングなんですよ。なんていうか、適材適所。あくまで、「この映画の」キャストイメージとして、ですけど、どのひともこのひともすっごくピッタリで違和感がないです。
趙雲とか、いいですよ。胡軍という役者さん、すっごく地味な顔で、農協のお兄ちゃんみたいなんだけど、とにかく明るく爽やかで桃太郎侍みたい。そうよ、趙雲って、こういうひとだったと思いたいじゃない? 趙雲って、へたすると、キマジメ過ぎて悲壮感漂ってて辛気臭いキャラになってしまうので、この単純明快さには嬉しくなってしまいました。
劉備とか曹操とか魯粛とかは、まあ、そんなものだろうなって感じでしたけど、張震演じた孫権はイイ♪ ビジュアル的にはむしろ、お兄ちゃんの孫策のイメージに近い役者さんですけど、この映画の孫権のイメージにはピッタリ。老獪な重臣たちの圧力に押しつぶされそうになって苦悩する若き君主を、繊細に豪胆に演じる一方、お転婆な妹に手を焼いてたり、人間臭さが魅力的です。
そのお転婆な妹が、ヴィッキー・チャオ。頭の回転がよくて、気が強くて、鼻っ柱も強いけど、無邪気でかわいくって憎めない、というようなキャラを演じさせたら、このひとの右に出るひとはいないんじゃないかしら。あのパッチリお目目がたまりませんわ。この映画はPartⅠということで、そこまでは描かれなかったのですが、これからの劉備との恋愛模様が楽しみですねv
でもね、でもね、だれが一番よかったかって、それはなんと、わたし的にはあらビックリの、金城武が演じた諸葛亮が最高にすばらしかったです! ほんとにとってもチャーミングなんですよ!
わたしは、金城武のファンではないし、諸葛亮は三国志の中ではむしろ苦手なキャラクターなんですが。
諸葛亮って、「ものすごい軍師」であることを強調せんがために、妖術使いみたくなっちゃったりしがちなんですけど、この映画の孔明って、ほんと、明るい好青年なんですよ!
明るい明るい、ってしつこく何度も言ってますけど、この映画の魅力はひとえにその「明るさ」にあるのであって、その「明るさ」を体現していたのが、金城武の孔明そのひとなんですもの。
智略に富んではいるのでしょうが、それでひとを操ろうとする陰険な描写はなく、常に完璧で他人に弱みを見せないというわけでもなく、局面がまずくなれば、あちゃーと舌を出すような人間くさい描写もあり、とにかく笑顔が多い。目元涼やかな若々しい孔明が始終ニコニコしているのですから、チャーミングでないはずがないです。
いずれにしても、中国時代劇中最高に有名な人物を演じるというのは、すさまじいプレッシャーがあったことと思いますが、金城武、みごとに受けてたって、金城武の諸葛亮を演じてくれたと思います。
ただね、周瑜のトニー・レオンは、……保留(汗)。
うーん。だって、周瑜だからね。美周郎と呼ばれてトニーが出てきたら、びっくりしちゃうのはわたしだけ(笑)? この映画、実は周瑜が主役ポジションなのですが、トニー・レオンにそれほどのカリスマがあるとは、どうしても……。
第一、かれの台詞は全部吹き替えでしたよ? 北京語に難アリだったのでしょうけれども。吹き替え台詞は、どうしても違和感を感じるので、できれば、北京語ネイティブか、そうでなくても、もっと話せる役者さんを起用すればいいのに、なぜ敢えて吹き替えてまでトニー・レオンを使う? というのが理解できないです。……トニー・レオンの魅力っていうのが、昔っからよくわからないの(汗)。TOKIOのリーダーに似てない?
えーと、役者さんのことばっかり言ってますけど(そして、このブログは、概ねそんなもんですけど)、活劇シーンがよいですよー♪ さすが、ジョン・ウー! ウー先生!
集団戦陣形戦と、個人技のちりばめ方のバランスがとってもよくて、メリハリが利いてます。たぶん、常識的に考えたら、戦闘シーン、長すぎるんじゃないかと思うのですが、外連味たっぷりのウー先生のアクションは、観ていて決して飽きませんので、どんだけ長かろうが没問題です。陣形を動かす、ということと、それが実戦にどう有効なのか、ということも、ビジュアルで楽しくわかりやすく見せてくれたし、関羽・張飛・趙雲らの武将としての見せ場もきっちり作ってあったし、周瑜まで獅子奮迅の武者ぶりを見せるし、もう、お腹いっぱい(笑)。
長坂橋の張飛のシーンとか、演義のエピソードそのままにやると、映画としてのリアリティ上ではちょっとむずかしかったかもしれませんが、この映画のアレンジは、嘘のリアリティが(ちょっとユーモラスに)実現してて、なるほど、そう来たか♪ と笑っちゃいました。
『三国志』と思って観ると、色々と文句を言いたくなる点もあるのかもしれませんが、ジョン・ウー監督の『ペイチェック』を観て「こんなのディックの映画じゃない!」と言うのがばかげてるのと同じように、この映画だって、ジョン・ウーによる、ジョン・ウーらしい、ジョン・ウーの映画なんだ、と思えば、細かくいちゃもんをつけるのなんか、ばからしくなると思います。
そしてもちろん、だれもが待ち望んでいた鳩もたっぷり出てきますよ(笑)! しかもこの鳩、なんと、孔明が飼ってる鳩なんですって(笑)。
白木庵、三国志はちょびっとだけマニアだったりしたので、あまりにも定石通りにやられても退屈するだろうし、だからってあまりにもトンデモ演出では白けるだろうし、楽しめるかしらどうかしら、とかなり心配だったのですが、わたし的には大当たりでした。ウー先生、ほんとにどうもありがとう(≧▽≦)!
なにがいいって、雰囲気がとっても明るいのがいいです。
まんがちっくな演出をしているわけではなく、悪ふざけをしているわけでもないのですが、無用な悲壮感がなく、元気で前向きなキャラクターたちが、どのひとりをとっても、とても好感度が高くて素敵です。
関羽と張飛にはビックリですね。よくもまあ、あんな、講談のイメージそのまんまの役者さんを見つけてきたものだ。あのふたりのビジュアルさえ押さえておけば、あとは、キャスティングで遊ぶのもアリだなと思いました。
ところが実は、あまり「遊び」がないキャスティングなんですよ。なんていうか、適材適所。あくまで、「この映画の」キャストイメージとして、ですけど、どのひともこのひともすっごくピッタリで違和感がないです。
趙雲とか、いいですよ。胡軍という役者さん、すっごく地味な顔で、農協のお兄ちゃんみたいなんだけど、とにかく明るく爽やかで桃太郎侍みたい。そうよ、趙雲って、こういうひとだったと思いたいじゃない? 趙雲って、へたすると、キマジメ過ぎて悲壮感漂ってて辛気臭いキャラになってしまうので、この単純明快さには嬉しくなってしまいました。
劉備とか曹操とか魯粛とかは、まあ、そんなものだろうなって感じでしたけど、張震演じた孫権はイイ♪ ビジュアル的にはむしろ、お兄ちゃんの孫策のイメージに近い役者さんですけど、この映画の孫権のイメージにはピッタリ。老獪な重臣たちの圧力に押しつぶされそうになって苦悩する若き君主を、繊細に豪胆に演じる一方、お転婆な妹に手を焼いてたり、人間臭さが魅力的です。
そのお転婆な妹が、ヴィッキー・チャオ。頭の回転がよくて、気が強くて、鼻っ柱も強いけど、無邪気でかわいくって憎めない、というようなキャラを演じさせたら、このひとの右に出るひとはいないんじゃないかしら。あのパッチリお目目がたまりませんわ。この映画はPartⅠということで、そこまでは描かれなかったのですが、これからの劉備との恋愛模様が楽しみですねv
でもね、でもね、だれが一番よかったかって、それはなんと、わたし的にはあらビックリの、金城武が演じた諸葛亮が最高にすばらしかったです! ほんとにとってもチャーミングなんですよ!
わたしは、金城武のファンではないし、諸葛亮は三国志の中ではむしろ苦手なキャラクターなんですが。
諸葛亮って、「ものすごい軍師」であることを強調せんがために、妖術使いみたくなっちゃったりしがちなんですけど、この映画の孔明って、ほんと、明るい好青年なんですよ!
明るい明るい、ってしつこく何度も言ってますけど、この映画の魅力はひとえにその「明るさ」にあるのであって、その「明るさ」を体現していたのが、金城武の孔明そのひとなんですもの。
智略に富んではいるのでしょうが、それでひとを操ろうとする陰険な描写はなく、常に完璧で他人に弱みを見せないというわけでもなく、局面がまずくなれば、あちゃーと舌を出すような人間くさい描写もあり、とにかく笑顔が多い。目元涼やかな若々しい孔明が始終ニコニコしているのですから、チャーミングでないはずがないです。
いずれにしても、中国時代劇中最高に有名な人物を演じるというのは、すさまじいプレッシャーがあったことと思いますが、金城武、みごとに受けてたって、金城武の諸葛亮を演じてくれたと思います。
ただね、周瑜のトニー・レオンは、……保留(汗)。
うーん。だって、周瑜だからね。美周郎と呼ばれてトニーが出てきたら、びっくりしちゃうのはわたしだけ(笑)? この映画、実は周瑜が主役ポジションなのですが、トニー・レオンにそれほどのカリスマがあるとは、どうしても……。
第一、かれの台詞は全部吹き替えでしたよ? 北京語に難アリだったのでしょうけれども。吹き替え台詞は、どうしても違和感を感じるので、できれば、北京語ネイティブか、そうでなくても、もっと話せる役者さんを起用すればいいのに、なぜ敢えて吹き替えてまでトニー・レオンを使う? というのが理解できないです。……トニー・レオンの魅力っていうのが、昔っからよくわからないの(汗)。TOKIOのリーダーに似てない?
えーと、役者さんのことばっかり言ってますけど(そして、このブログは、概ねそんなもんですけど)、活劇シーンがよいですよー♪ さすが、ジョン・ウー! ウー先生!
集団戦陣形戦と、個人技のちりばめ方のバランスがとってもよくて、メリハリが利いてます。たぶん、常識的に考えたら、戦闘シーン、長すぎるんじゃないかと思うのですが、外連味たっぷりのウー先生のアクションは、観ていて決して飽きませんので、どんだけ長かろうが没問題です。陣形を動かす、ということと、それが実戦にどう有効なのか、ということも、ビジュアルで楽しくわかりやすく見せてくれたし、関羽・張飛・趙雲らの武将としての見せ場もきっちり作ってあったし、周瑜まで獅子奮迅の武者ぶりを見せるし、もう、お腹いっぱい(笑)。
長坂橋の張飛のシーンとか、演義のエピソードそのままにやると、映画としてのリアリティ上ではちょっとむずかしかったかもしれませんが、この映画のアレンジは、嘘のリアリティが(ちょっとユーモラスに)実現してて、なるほど、そう来たか♪ と笑っちゃいました。
『三国志』と思って観ると、色々と文句を言いたくなる点もあるのかもしれませんが、ジョン・ウー監督の『ペイチェック』を観て「こんなのディックの映画じゃない!」と言うのがばかげてるのと同じように、この映画だって、ジョン・ウーによる、ジョン・ウーらしい、ジョン・ウーの映画なんだ、と思えば、細かくいちゃもんをつけるのなんか、ばからしくなると思います。
そしてもちろん、だれもが待ち望んでいた鳩もたっぷり出てきますよ(笑)! しかもこの鳩、なんと、孔明が飼ってる鳩なんですって(笑)。
by shirakian
| 2008-11-08 22:00
| 映画ら行