2012年 10月 14日
ラ・ワン
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★ネタバレ注意★
アヌバウ・シンハー監督のインド映画。
永遠のアイドル、シャールク・カーンが主演です。
ジャンルは一応SFアクションみたいですが、このSはScienceのSというよりShowy(派手っちい)とかのSであると見た。要するにボリウッド・マサラ・ムービー☆
ロンドンのゲーム製作会社バロン社に勤務するゲームデザイナーのシェカル(シャールク・カーン)は、ひとり息子のプラティク(アルマーン・ヴェルマー)の希望を叶えるため、「決して負けない悪役」が登場するゲームを製作し、史上最強の悪役「ラ・ワン」を生み出す。新作ゲームの製作発表の日、さっそくデモ版でラ・ワンと対戦したプラティクだったが、ゲーム上での敗北に激怒したラ・ワン(アルジュン・ランパール)は、雪辱をはたすべく、ゲーム世界から抜け出して現実世界に実態化してしまう。
“RaOne” というのは、開発途中に用いていた”random access one” というプログラミング用語からとった仮称ですが、これがたまたまラーマーヤナに出てくる悪魔王ラワンと音が同じだったので、まさに最強の悪役にふさわしい名前としてそのまま正式名称として採用された、という説明がなされています、が、もちろんこれは、ラーマーヤナのラワンの方が先でしょう。どこでも使えるdocomoが ”do communications over the mobile network” の略称だと言ってるみたいなものだね。一方の善玉ヒーロー(シャールク・カーンの二役)はG.Oneという名前ですが、これもまた、ヒンディー語では生命とか自然とかを表す言葉だそうですが、ゲームデザイン的には”Good One” の略称ですって。もはやプログラミング用語っぽい言葉を捜す気すらないっぽい。いいよね、別に、マサラだものね。
見所は、いくつになってもチャーミングなインドのアイドル、シャールク・カーン演じるシェカルと、その妻ソニア(カリーナー・カプール)との愛情物語がひとつと、同じくシャールク演じるGワンと、インドのヒュー・ジャックマンことアルジュン・ランパール演じるラ・ワンとの、華やかなアクション対決がひとつです。このふたつをミックスして大量の歌と踊りではさむ。
特にアクション対決の方は、ターミネーターやマトリックスやジャッキー・チェンの一連の作品や、果てはラジニカーントの『ロボット』からの引用までもが盛りだくさん、ちゃんと列車の「側面」を走るよ。しかもラジニに至ってはチッティ役でゲスト出演までしてくれちゃうサービスっぷり☆ とってもたのしーよ! ターミネーター2からの引用とか、渋いんだ、お、そこから取っちゃう? って嬉しくなるよ。
しかしやはりなんと言ってもあなた、ラ・ワンを演じるアルジュンですよ。
見てください、この勇姿。どこからどう見てもCGにしか見えませんわ。
カッコイイいもほどがある(>_<)!
一緒に観に行ったインド映画に詳しい友達の漏洩情報によると、ことほどさように完全無欠のインディアン・ハンサムのアルジュンですが、実はダンスが弱点なんだそうです。どうも見ているとハラハラしちゃうんですって。そういう身体的リズム感覚が残念なひとって、もしかしてアクションも苦手だったりするんじゃないかしらと若干の危惧がなきにしもあらずだったんですが、全然大丈夫、ゲーム主体のアクションだもの、決めポーズさえかっこよければそれでよし、という演出。そして、さすがモデル出身のアルジュン、決めポーズはバッチリかっこよかったのでそれで大変よかったです(アクションができてなかった、という意味ではありませんのよ、念のため)。
特にティパワリー祭りのラワン☆
この映画のクライマックスは、「灯りの祭り」とも呼ばれるティパワリーに沸くムンバイが舞台となっているのですが、このお祭りでは、町中がロマンチックなライトで飾られ、到るところで花火が打ち上げられます。この絶好の雰囲気を背景に、シェカルとソニアのラブストーリーが高らかに歌い上げられる一方で、このお祭りはラワンのお祭りでもある。
ラーマーヤナのラワンというのは、アヨーディヤ王ラームの妻シータに横恋慕し、これを連れ去ってしまったワルモノなんですが、見事ラームの返り討ちにあい、シータも連れ戻されてしまいます。ティパワリーの祭りっていうのは、このシータの帰還を喜んだひとびとが街頭や家々に灯りをともして祝ったのが最初なんだそうです。で、この祭りの期間、この故事をもとに、巨大なラワンの人形を燃やすイベントが各地で行われる。
この、燃え盛る自身の分身を背景に、ゲームから抜け出したラワンが不敵に笑う。大股で歩く。もちろんスローモーションで。くーっ(>_<)! ってなりますから。そりゃあもうかぁっこいいですから(>_<)!
純粋にストーリー展開をのみ見れば、この映画って別にムンバイ・シークエンスが必要だったとは思えないのです。むしろロンドンだけでまとめてしまった方が流れはスムースだったと思う。だけどあえて無理矢理ムンバイに移動したのは、ひとえにこのシチュエーションを取り入れたいがためだったんだろうなぁ、と大いに納得がいくところです(あと、もちろん、チッティに友情出演してもらうためにもね)。
この映画、地元でも大きなシネコンで上映されたわけではないし、上映期間もごくわずかだったみたいです。大変残念ですね。日本でももっとインド映画、公開されればいいのに。マサラ・ムービーを観ると、サービスってどういうことか、腹の底から納得できるよ、心地よい疲労とともに(笑)。
・ラ・ワン@ぴあ映画生活
アヌバウ・シンハー監督のインド映画。
永遠のアイドル、シャールク・カーンが主演です。
ジャンルは一応SFアクションみたいですが、このSはScienceのSというよりShowy(派手っちい)とかのSであると見た。要するにボリウッド・マサラ・ムービー☆
ロンドンのゲーム製作会社バロン社に勤務するゲームデザイナーのシェカル(シャールク・カーン)は、ひとり息子のプラティク(アルマーン・ヴェルマー)の希望を叶えるため、「決して負けない悪役」が登場するゲームを製作し、史上最強の悪役「ラ・ワン」を生み出す。新作ゲームの製作発表の日、さっそくデモ版でラ・ワンと対戦したプラティクだったが、ゲーム上での敗北に激怒したラ・ワン(アルジュン・ランパール)は、雪辱をはたすべく、ゲーム世界から抜け出して現実世界に実態化してしまう。
“RaOne” というのは、開発途中に用いていた”random access one” というプログラミング用語からとった仮称ですが、これがたまたまラーマーヤナに出てくる悪魔王ラワンと音が同じだったので、まさに最強の悪役にふさわしい名前としてそのまま正式名称として採用された、という説明がなされています、が、もちろんこれは、ラーマーヤナのラワンの方が先でしょう。どこでも使えるdocomoが ”do communications over the mobile network” の略称だと言ってるみたいなものだね。一方の善玉ヒーロー(シャールク・カーンの二役)はG.Oneという名前ですが、これもまた、ヒンディー語では生命とか自然とかを表す言葉だそうですが、ゲームデザイン的には”Good One” の略称ですって。もはやプログラミング用語っぽい言葉を捜す気すらないっぽい。いいよね、別に、マサラだものね。
見所は、いくつになってもチャーミングなインドのアイドル、シャールク・カーン演じるシェカルと、その妻ソニア(カリーナー・カプール)との愛情物語がひとつと、同じくシャールク演じるGワンと、インドのヒュー・ジャックマンことアルジュン・ランパール演じるラ・ワンとの、華やかなアクション対決がひとつです。このふたつをミックスして大量の歌と踊りではさむ。
特にアクション対決の方は、ターミネーターやマトリックスやジャッキー・チェンの一連の作品や、果てはラジニカーントの『ロボット』からの引用までもが盛りだくさん、ちゃんと列車の「側面」を走るよ。しかもラジニに至ってはチッティ役でゲスト出演までしてくれちゃうサービスっぷり☆ とってもたのしーよ! ターミネーター2からの引用とか、渋いんだ、お、そこから取っちゃう? って嬉しくなるよ。
しかしやはりなんと言ってもあなた、ラ・ワンを演じるアルジュンですよ。
見てください、この勇姿。どこからどう見てもCGにしか見えませんわ。
カッコイイいもほどがある(>_<)!
一緒に観に行ったインド映画に詳しい友達の漏洩情報によると、ことほどさように完全無欠のインディアン・ハンサムのアルジュンですが、実はダンスが弱点なんだそうです。どうも見ているとハラハラしちゃうんですって。そういう身体的リズム感覚が残念なひとって、もしかしてアクションも苦手だったりするんじゃないかしらと若干の危惧がなきにしもあらずだったんですが、全然大丈夫、ゲーム主体のアクションだもの、決めポーズさえかっこよければそれでよし、という演出。そして、さすがモデル出身のアルジュン、決めポーズはバッチリかっこよかったのでそれで大変よかったです(アクションができてなかった、という意味ではありませんのよ、念のため)。
特にティパワリー祭りのラワン☆
この映画のクライマックスは、「灯りの祭り」とも呼ばれるティパワリーに沸くムンバイが舞台となっているのですが、このお祭りでは、町中がロマンチックなライトで飾られ、到るところで花火が打ち上げられます。この絶好の雰囲気を背景に、シェカルとソニアのラブストーリーが高らかに歌い上げられる一方で、このお祭りはラワンのお祭りでもある。
ラーマーヤナのラワンというのは、アヨーディヤ王ラームの妻シータに横恋慕し、これを連れ去ってしまったワルモノなんですが、見事ラームの返り討ちにあい、シータも連れ戻されてしまいます。ティパワリーの祭りっていうのは、このシータの帰還を喜んだひとびとが街頭や家々に灯りをともして祝ったのが最初なんだそうです。で、この祭りの期間、この故事をもとに、巨大なラワンの人形を燃やすイベントが各地で行われる。
この、燃え盛る自身の分身を背景に、ゲームから抜け出したラワンが不敵に笑う。大股で歩く。もちろんスローモーションで。くーっ(>_<)! ってなりますから。そりゃあもうかぁっこいいですから(>_<)!
純粋にストーリー展開をのみ見れば、この映画って別にムンバイ・シークエンスが必要だったとは思えないのです。むしろロンドンだけでまとめてしまった方が流れはスムースだったと思う。だけどあえて無理矢理ムンバイに移動したのは、ひとえにこのシチュエーションを取り入れたいがためだったんだろうなぁ、と大いに納得がいくところです(あと、もちろん、チッティに友情出演してもらうためにもね)。
この映画、地元でも大きなシネコンで上映されたわけではないし、上映期間もごくわずかだったみたいです。大変残念ですね。日本でももっとインド映画、公開されればいいのに。マサラ・ムービーを観ると、サービスってどういうことか、腹の底から納得できるよ、心地よい疲労とともに(笑)。
・ラ・ワン@ぴあ映画生活
by shirakian
| 2012-10-14 21:16
| 映画ら行