2011年 03月 21日
ツーリスト
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★ネタバレ注意★
あんまり評判よくないとか、興行的にコケたとか、そんな話を風の噂に聞いてたので(あーたは一体どこから情報を仕入れているのか)、どうしよっかなー、やめとこっかなー、と思ってたのですが、ポール・ベタニーに会いたくて、やっぱり観に行ってしまいました(ジョニデじゃないのね。や、ジョニデは、別に、わたしじゃなくても、大勢のひとに愛されてるから、いいかなって)。
これは、アレですね、香港のお正月映画。華やかなスターを集めて、難しいことは考えずに、楽しくめでたくお気楽に観る映画。なにしろ、アンジェリーナ・ジョリーとジョニー・デップですものね。新年快楽、万事如意、年年有余。明るく楽しく劇場を出ましょう☆
アレクサンダー・ピアーズは、マフィアから巨額の資金を奪った結果、多額の納税義務をばっくれたがために、イギリス当局から追われていた。しかしその顔は全く知られておらず、ロンドン警察は苦肉の策として、ピアーズの恋人だったエリーズ・クリフトン・ワード(アンジェリーナ・ジョリー)に張り付いていた。厳しい監視が続くある日、ついにピアーズはエリーズに接触し、エリーズが動いた。パリからリヨン、リヨンからベニスへ。エリーズはピアーズの手紙による指示に従って、列車内で偶然出会った「ピアーズに体格の似た男」、フランク・トゥーペロ(ジョニー・デップ)をたらしこみ、デコイとして巻きこむ。かくて、ウィスコンシンの数学教師に過ぎないフランクは、ピアーズと間違えられて、マフィアから命を狙われることに。
という感じの、綿菓子よりももっともっと軽~いサスペンス・コメディ(?)。ここで「?」をつけちゃったのは、あんまり笑える要素はなかったかも、と思ったからですが、第68回ゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディ部門で、作品賞・主演男優賞・主演女優賞でノミネートされてるので、コメディらしいです(はっ、もしかしてミュージカルだったのかしら?)。
ミュージカルかどうかはともかく(だから、コメディなんだってば)、なんとゆーか、古きよきハリウッド映画みたいなノリで、ケーリー・グラントとかがやったら似合いそうな雰囲気の映画です。
見所としては、なんといってもアンジェリーナ・ジョリー☆ もう、衣装をとっかえひっかえバービー人形状態ですから~、楽しいですから~。なんか、さすがにこれは痩せすぎではないか、と思ってしまいましたが、それでも、ゴージャスな衣装をステキにきこなすアンジーはさすが。衣装やアクセサリーを見るだけで、すべての女子はシヤワセになれるよ。(たぶん)。道行く男が100%振り返る、という演出も、このアンジーだったら納得なのです。監視の刑事たちの目も、思わず彼女のヒップラインに釘づけ。それにしても、あんなハイヒールで、よくもあんなに歩けるなぁ。旅行までして。アクションまでして。観ている方が痛いです(>_<)。
そして、二つ目の見所は、ベニス。なんたってベニス。ほかの街じゃなくてベニス。一介のツーリストが喜んで見知らぬ他人の指令で動きたくなる街。撮り方によっては、もしかして、水が淀んでて臭かったりするのかしら、と思わせるものがあるベニスですが、この映画のベニスはほんとに夢の街。綺麗に贅沢にロマンチックに撮れております。しかしそれにしても複雑怪奇に入り組んだ道と水路。わたしなんざ、迷子になる自信満々です。アンジーは旅行バト並みの方向感覚をしていらっさる(あるいは土地勘があるともいう)。
そして、見所の三番目。この映画は実は、大変なイケメン映画であります。女優がほぼアンジェリーナ・ジョリーひとりしか出てこない分、有名無名を問わずイケメンがゾロゾロ☆
主演がジョニデというのがまず鉄板でイケメンですが、冒頭、優雅にパリで暮らすエリーズにぴったり張り付いて監視するフランス警察の面々が(だれだか知らないけど)まずイケメン。推定年齢40代30代20代のトリオ・ザ・サベイランスですが、渋いのと精悍なのとキュートなの、というそれぞれ違ったテイストのイケメンを揃えてくれる出血大サービス。こんな端役にまで、ほんとにどうもありがとう。
そしてロンドン警察。捜査主任ジョン・アチソン警部がポール・ベタニー☆ かれがイケメンであることは言うまでもなく、ベタニーの上司ジョーンズ主任警部がティモシー・ダルトン☆ 飄々とした余裕綽々のオトナな感じがとってもいいです。あとはもう、ダルトンの秘書とか、ベタニーの部下とか、ロンドン警察はどうしてこんなにイケメン揃い、とワクテカしてたら、エリーズの監視のために協力を要請したイタリア警察がこれまたイケメン揃いで、なんかもう、笑いがとまりませんでした(笑)。
そして、曰くありげにチョロチョロと物語にからんでくる謎の英国人男性にルーファス・シーウェル。かれの役にはどんでん返しがありますが、出番自体はあまりないこの役にシーウェルを配役してくれたことにより、観客をミスリードできる可能性が生じたとも言えましょう……実際は、騙されるひとはいなかったと思うのだけど(汗)。だって、だれがどう観ても、ジョニデがピアースだということはストーリー上、一目瞭然……。
だったら、そこはもう、バレバレの「どんでん返し」になぞ拘らず、ジョニー・デップにもっと心理的な芝居をさせてもよかったんじゃないか、と思ってしまいますね。とっぽい旅行者かと思いきや、なにその怪しげな表情、ありえない落ち着きっぷり、みたいな。ジョニデは結構ギリギリまで、一本調子な演技に終始しているのが、いっそ物足りなかったかも。そして、そうであるならば、アンジーの方も、ミステリアスなファムファタール、っていうだけじゃなく、恋する女の情熱みたいな、もう一面を演じさせてあげてもよかったのにね。せっかくヤヌスが大事なモチーフとして使われているのだし。
だって、あんなキスをしておきなたら、全く気づかないなんて(>_<)。
ポール・ベタニーはとにかくとってもカッコイイし、ジョニデの脱力系とぼけた味わいもいいし、大変楽しく観たのですが、監督が『善き人のためのソナタ』のフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクだと思うと、やっぱりいくらなんでも勿体無いなぁ、と思わんでもないです。うーん。このスター映画で興行的に大成功を収めて、次回作でほんとうに撮りたいものを撮る、という目算だったのかもしれないけれど、ちょっとアテがはずれてしまったかしら……。
あんまり評判よくないとか、興行的にコケたとか、そんな話を風の噂に聞いてたので(あーたは一体どこから情報を仕入れているのか)、どうしよっかなー、やめとこっかなー、と思ってたのですが、ポール・ベタニーに会いたくて、やっぱり観に行ってしまいました(ジョニデじゃないのね。や、ジョニデは、別に、わたしじゃなくても、大勢のひとに愛されてるから、いいかなって)。
これは、アレですね、香港のお正月映画。華やかなスターを集めて、難しいことは考えずに、楽しくめでたくお気楽に観る映画。なにしろ、アンジェリーナ・ジョリーとジョニー・デップですものね。新年快楽、万事如意、年年有余。明るく楽しく劇場を出ましょう☆
アレクサンダー・ピアーズは、マフィアから巨額の資金を奪った結果、多額の納税義務をばっくれたがために、イギリス当局から追われていた。しかしその顔は全く知られておらず、ロンドン警察は苦肉の策として、ピアーズの恋人だったエリーズ・クリフトン・ワード(アンジェリーナ・ジョリー)に張り付いていた。厳しい監視が続くある日、ついにピアーズはエリーズに接触し、エリーズが動いた。パリからリヨン、リヨンからベニスへ。エリーズはピアーズの手紙による指示に従って、列車内で偶然出会った「ピアーズに体格の似た男」、フランク・トゥーペロ(ジョニー・デップ)をたらしこみ、デコイとして巻きこむ。かくて、ウィスコンシンの数学教師に過ぎないフランクは、ピアーズと間違えられて、マフィアから命を狙われることに。
という感じの、綿菓子よりももっともっと軽~いサスペンス・コメディ(?)。ここで「?」をつけちゃったのは、あんまり笑える要素はなかったかも、と思ったからですが、第68回ゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディ部門で、作品賞・主演男優賞・主演女優賞でノミネートされてるので、コメディらしいです(はっ、もしかしてミュージカルだったのかしら?)。
ミュージカルかどうかはともかく(だから、コメディなんだってば)、なんとゆーか、古きよきハリウッド映画みたいなノリで、ケーリー・グラントとかがやったら似合いそうな雰囲気の映画です。
見所としては、なんといってもアンジェリーナ・ジョリー☆ もう、衣装をとっかえひっかえバービー人形状態ですから~、楽しいですから~。なんか、さすがにこれは痩せすぎではないか、と思ってしまいましたが、それでも、ゴージャスな衣装をステキにきこなすアンジーはさすが。衣装やアクセサリーを見るだけで、すべての女子はシヤワセになれるよ。(たぶん)。道行く男が100%振り返る、という演出も、このアンジーだったら納得なのです。監視の刑事たちの目も、思わず彼女のヒップラインに釘づけ。それにしても、あんなハイヒールで、よくもあんなに歩けるなぁ。旅行までして。アクションまでして。観ている方が痛いです(>_<)。
そして、二つ目の見所は、ベニス。なんたってベニス。ほかの街じゃなくてベニス。一介のツーリストが喜んで見知らぬ他人の指令で動きたくなる街。撮り方によっては、もしかして、水が淀んでて臭かったりするのかしら、と思わせるものがあるベニスですが、この映画のベニスはほんとに夢の街。綺麗に贅沢にロマンチックに撮れております。しかしそれにしても複雑怪奇に入り組んだ道と水路。わたしなんざ、迷子になる自信満々です。アンジーは旅行バト並みの方向感覚をしていらっさる(あるいは土地勘があるともいう)。
そして、見所の三番目。この映画は実は、大変なイケメン映画であります。女優がほぼアンジェリーナ・ジョリーひとりしか出てこない分、有名無名を問わずイケメンがゾロゾロ☆
主演がジョニデというのがまず鉄板でイケメンですが、冒頭、優雅にパリで暮らすエリーズにぴったり張り付いて監視するフランス警察の面々が(だれだか知らないけど)まずイケメン。推定年齢40代30代20代のトリオ・ザ・サベイランスですが、渋いのと精悍なのとキュートなの、というそれぞれ違ったテイストのイケメンを揃えてくれる出血大サービス。こんな端役にまで、ほんとにどうもありがとう。
そしてロンドン警察。捜査主任ジョン・アチソン警部がポール・ベタニー☆ かれがイケメンであることは言うまでもなく、ベタニーの上司ジョーンズ主任警部がティモシー・ダルトン☆ 飄々とした余裕綽々のオトナな感じがとってもいいです。あとはもう、ダルトンの秘書とか、ベタニーの部下とか、ロンドン警察はどうしてこんなにイケメン揃い、とワクテカしてたら、エリーズの監視のために協力を要請したイタリア警察がこれまたイケメン揃いで、なんかもう、笑いがとまりませんでした(笑)。
そして、曰くありげにチョロチョロと物語にからんでくる謎の英国人男性にルーファス・シーウェル。かれの役にはどんでん返しがありますが、出番自体はあまりないこの役にシーウェルを配役してくれたことにより、観客をミスリードできる可能性が生じたとも言えましょう……実際は、騙されるひとはいなかったと思うのだけど(汗)。だって、だれがどう観ても、ジョニデがピアースだということはストーリー上、一目瞭然……。
だったら、そこはもう、バレバレの「どんでん返し」になぞ拘らず、ジョニー・デップにもっと心理的な芝居をさせてもよかったんじゃないか、と思ってしまいますね。とっぽい旅行者かと思いきや、なにその怪しげな表情、ありえない落ち着きっぷり、みたいな。ジョニデは結構ギリギリまで、一本調子な演技に終始しているのが、いっそ物足りなかったかも。そして、そうであるならば、アンジーの方も、ミステリアスなファムファタール、っていうだけじゃなく、恋する女の情熱みたいな、もう一面を演じさせてあげてもよかったのにね。せっかくヤヌスが大事なモチーフとして使われているのだし。
だって、あんなキスをしておきなたら、全く気づかないなんて(>_<)。
ポール・ベタニーはとにかくとってもカッコイイし、ジョニデの脱力系とぼけた味わいもいいし、大変楽しく観たのですが、監督が『善き人のためのソナタ』のフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクだと思うと、やっぱりいくらなんでも勿体無いなぁ、と思わんでもないです。うーん。このスター映画で興行的に大成功を収めて、次回作でほんとうに撮りたいものを撮る、という目算だったのかもしれないけれど、ちょっとアテがはずれてしまったかしら……。
by shirakian
| 2011-03-21 19:06
| 映画た行