2010年 10月 26日
エクスペンダブルズ
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★ネタバレ注意★
ロッキーもランボーも一本も観たことのないわたしは、あんまりお呼びでない観客なんだろうなぁ、とは思うのですが、なにしろこれはお祭りですから、参加することに意義がある!
シルヴェスター・スタローンが往年の(と言っちゃいけませんね。バリバリ現役の)大物アクションスターを集結させて撮った、アクション大作であります。
この映画のキモは、だれがどう観ても、そのありえないよなキャスティングにあるわけで、とりあえずざっと名前を並べてみれば、シルヴェスター・スタローン、ジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、ミッキー・ローク、ドルフ・ラングレン、ブルース・ウィリス、アーノルド・シュワルツェネッガー! よくぞまあ、揃えたり。
スタローン、ウィリス、シュワルツェネッガーが揃い踏みするシーンなどは、完全にファンサービスというか、お遊びのシーンで、ストーリー上重要なシーンでもなければアクションがあるわけでもないのですが、それでもこのスリーショットには、思わずた~まや~! と掛け声をかけたくなってしまいます。人生にはアソビゴコロも必要だよ、うん。シュワルツェネッガーねたのジョークには、劇場もよく湧いていました。確かにやつはそいつを狙っている(笑)。
あと、これに加えて、異種格闘技ヘビー級チャンピオンのランディ・クートゥアと、もとフットボール選手のテリー・クルーズ、悪役として、『デクスター』のエンジェル刑事ことデヴィッド・ザヤスに、ジュリア兄ことエリック・ロバーツという布陣であります。
ストーリーはね、一応、あるにはあるんですよ、ないことはないんですが、これと言って別にね、えっと、バーニー・ロス(スタローン)率いる傭兵軍団“エクスペンダブルズ”(メンバーは、ジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、ドルフ・ラングレン、ランディ・クートゥア、テリー・クルーズの6人)は、ソマリアで人質救出にあたったりなど、華々しく活躍しておったわけですが、そんなかれらにチャーチと名乗る男(ブルース・ウィリス)から、南米の島国ヴィレーナを牛耳る独裁者ガルザ将軍(デヴィッド・ザヤス)の抹殺というお仕事が舞い込みます。ところが実は、ガルザ将軍の背後には、この島で摂れる麻薬の収益を活動資金として独占しようとするCIAの陰謀があり、真の敵はガルザを操るCIAのジェームズ・モンロー(エリック・ロバーツ)だったのでありました。
ワンパラグラフ費やした割には、まあ、どうでもいいよね、そんなこと?
でもいいの、いいの、この話の主眼はそんなところにはないから、さっきも言ったように、キャスティングが全ての映画なのだから。要は、そのキャスティングをいかに生かせるか、というところがスタローン監督の腕の見せ所となるわけでありますが、そうした意味では、さすがスタローンさん、伊達にスタローンという看板を張ってきたわけじゃないなぁ、と感嘆してしまいましてよ。
とにかく、チームだけでアクションスターが6人、みなにそれぞれ活躍の場を与え、見せ場を作り、しかもそこに巧みなコンビネーションを築かなければなりません。かなりの力技、というより頭脳プレー。
中でも一番華をもたせてもらったのは、やっぱり今が旬のジェイソン・ステイサムかなぁ、と思うわけですが、スタローンの右腕として大活躍する「頼れる男」です。スタローンが操縦する水陸両用機の機首から首を突き出して、ヤッホーとばかり機銃掃射するシーンは、やはりこの映画のクライマックスのひとつ。絵的にもとっても決まっております。そして、頼れる男でありながら、恋人とうまくいかなかったりしてなんだかずっとぼやき節なのがステイサムらしくていいです(笑)。
そして、ドルフ・ラングレン。わたくし、この方については、『メン・オブ・ウォー』でしか認識しておりませんでしたので、タフで知的で優秀なリーダー、という高評価なイメージなんですが、世間的にはやっぱり「狂犬」といったキャラクターであるらしいです。で、この映画では、かれのそのイメージを上手に生かして大暴れさせた上で、ラストのサプライスで、大物スターへの帳尻をきっちりあわせる律儀ぶり。大変気持ちよく観られる感じのいい演出でありました。
ラングレンが敵に寝返るキャラを演じたのはもちろん、ジェット・リーとの対決の場を設けるため。この激しい体格差コンビの取り組みもまた、この映画の中の大きな見せ場のひとつでありました。そう言えば、ラングレンも空手畑のひとだものね。カンフーアクションは本物であります。ジェット・リーの切れのいい動きと、ラングレンの重量感あふれる動き、ふたつがぶつかりあうシーンは迫力満点。思わずここでも掛け声が(笑)。
贅沢を言えば、単純に大きさのちがいを生かした演出が、大男のラングレンを小柄なリーが高さ制限のある場所に引き込むアイディアだけじゃなくて、もうちょっとほしかったなぁ、という気がしないでもないです。香港映画だったら、もっと徹底的にこの線で押してくるんだけどな。だってせっかくのドリーム対決なんじゃないんですか、これって?
その4人に比べると、ランディ・クートゥアとテリー・クルーズはキャラが薄いかなぁ、という気がしないでもなかったのですが、それは単に、わたしがこのひとたちを知らなかったからだけかもしれない。クルーズが超強力な銃器をドン! ドン! とぶっ放しながら敵地をのし歩くシーンはすごい迫力でしたけど、あれはクルーズの迫力というより銃器の迫力だったしな。
そしてやっぱり、わたくし的にはデヴィッド・ザヤスにも言及しておきたいところです。せっかく島の独裁者というラスボス的な役割のはずが、実はCIAに頭があがらない半端な役どころで、ちょっとお気の毒でありましたが、面白い役でしたよ。ただ、わたしは、かれのあの、まろやかで耳に心地よい声を聞くと、どうしても悪いひととは思えないのですが。わたしが知らないだけで、極悪非道な犯罪者の役もやってる役者さんなんだけどな。
パート2の製作も決まっているそうですので、次はどんな大物を起用してくれるか、楽しみですね。今度こそジャン=クロード・ヴァン・ダム(本名はジャン=クロード・カミーユ・フランソワ・ヴァン・ヴァレンベルフ、なんですって。じゅげむじゅげむ)、出るかな? あと、アクションスターと言えば、だれ? ヒュー・ジャックマン? ダニエル・クレイグ? ドウェイン・ジョンソン? ロートルもオッケーなら、ハリソン・フォードとか、いっそ、ショーン・コネリーあたりも(笑)? いずれにしても、楽しみですね。
ロッキーもランボーも一本も観たことのないわたしは、あんまりお呼びでない観客なんだろうなぁ、とは思うのですが、なにしろこれはお祭りですから、参加することに意義がある!
シルヴェスター・スタローンが往年の(と言っちゃいけませんね。バリバリ現役の)大物アクションスターを集結させて撮った、アクション大作であります。
この映画のキモは、だれがどう観ても、そのありえないよなキャスティングにあるわけで、とりあえずざっと名前を並べてみれば、シルヴェスター・スタローン、ジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、ミッキー・ローク、ドルフ・ラングレン、ブルース・ウィリス、アーノルド・シュワルツェネッガー! よくぞまあ、揃えたり。
スタローン、ウィリス、シュワルツェネッガーが揃い踏みするシーンなどは、完全にファンサービスというか、お遊びのシーンで、ストーリー上重要なシーンでもなければアクションがあるわけでもないのですが、それでもこのスリーショットには、思わずた~まや~! と掛け声をかけたくなってしまいます。人生にはアソビゴコロも必要だよ、うん。シュワルツェネッガーねたのジョークには、劇場もよく湧いていました。確かにやつはそいつを狙っている(笑)。
あと、これに加えて、異種格闘技ヘビー級チャンピオンのランディ・クートゥアと、もとフットボール選手のテリー・クルーズ、悪役として、『デクスター』のエンジェル刑事ことデヴィッド・ザヤスに、ジュリア兄ことエリック・ロバーツという布陣であります。
ストーリーはね、一応、あるにはあるんですよ、ないことはないんですが、これと言って別にね、えっと、バーニー・ロス(スタローン)率いる傭兵軍団“エクスペンダブルズ”(メンバーは、ジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、ドルフ・ラングレン、ランディ・クートゥア、テリー・クルーズの6人)は、ソマリアで人質救出にあたったりなど、華々しく活躍しておったわけですが、そんなかれらにチャーチと名乗る男(ブルース・ウィリス)から、南米の島国ヴィレーナを牛耳る独裁者ガルザ将軍(デヴィッド・ザヤス)の抹殺というお仕事が舞い込みます。ところが実は、ガルザ将軍の背後には、この島で摂れる麻薬の収益を活動資金として独占しようとするCIAの陰謀があり、真の敵はガルザを操るCIAのジェームズ・モンロー(エリック・ロバーツ)だったのでありました。
ワンパラグラフ費やした割には、まあ、どうでもいいよね、そんなこと?
でもいいの、いいの、この話の主眼はそんなところにはないから、さっきも言ったように、キャスティングが全ての映画なのだから。要は、そのキャスティングをいかに生かせるか、というところがスタローン監督の腕の見せ所となるわけでありますが、そうした意味では、さすがスタローンさん、伊達にスタローンという看板を張ってきたわけじゃないなぁ、と感嘆してしまいましてよ。
とにかく、チームだけでアクションスターが6人、みなにそれぞれ活躍の場を与え、見せ場を作り、しかもそこに巧みなコンビネーションを築かなければなりません。かなりの力技、というより頭脳プレー。
中でも一番華をもたせてもらったのは、やっぱり今が旬のジェイソン・ステイサムかなぁ、と思うわけですが、スタローンの右腕として大活躍する「頼れる男」です。スタローンが操縦する水陸両用機の機首から首を突き出して、ヤッホーとばかり機銃掃射するシーンは、やはりこの映画のクライマックスのひとつ。絵的にもとっても決まっております。そして、頼れる男でありながら、恋人とうまくいかなかったりしてなんだかずっとぼやき節なのがステイサムらしくていいです(笑)。
そして、ドルフ・ラングレン。わたくし、この方については、『メン・オブ・ウォー』でしか認識しておりませんでしたので、タフで知的で優秀なリーダー、という高評価なイメージなんですが、世間的にはやっぱり「狂犬」といったキャラクターであるらしいです。で、この映画では、かれのそのイメージを上手に生かして大暴れさせた上で、ラストのサプライスで、大物スターへの帳尻をきっちりあわせる律儀ぶり。大変気持ちよく観られる感じのいい演出でありました。
ラングレンが敵に寝返るキャラを演じたのはもちろん、ジェット・リーとの対決の場を設けるため。この激しい体格差コンビの取り組みもまた、この映画の中の大きな見せ場のひとつでありました。そう言えば、ラングレンも空手畑のひとだものね。カンフーアクションは本物であります。ジェット・リーの切れのいい動きと、ラングレンの重量感あふれる動き、ふたつがぶつかりあうシーンは迫力満点。思わずここでも掛け声が(笑)。
贅沢を言えば、単純に大きさのちがいを生かした演出が、大男のラングレンを小柄なリーが高さ制限のある場所に引き込むアイディアだけじゃなくて、もうちょっとほしかったなぁ、という気がしないでもないです。香港映画だったら、もっと徹底的にこの線で押してくるんだけどな。だってせっかくのドリーム対決なんじゃないんですか、これって?
その4人に比べると、ランディ・クートゥアとテリー・クルーズはキャラが薄いかなぁ、という気がしないでもなかったのですが、それは単に、わたしがこのひとたちを知らなかったからだけかもしれない。クルーズが超強力な銃器をドン! ドン! とぶっ放しながら敵地をのし歩くシーンはすごい迫力でしたけど、あれはクルーズの迫力というより銃器の迫力だったしな。
そしてやっぱり、わたくし的にはデヴィッド・ザヤスにも言及しておきたいところです。せっかく島の独裁者というラスボス的な役割のはずが、実はCIAに頭があがらない半端な役どころで、ちょっとお気の毒でありましたが、面白い役でしたよ。ただ、わたしは、かれのあの、まろやかで耳に心地よい声を聞くと、どうしても悪いひととは思えないのですが。わたしが知らないだけで、極悪非道な犯罪者の役もやってる役者さんなんだけどな。
パート2の製作も決まっているそうですので、次はどんな大物を起用してくれるか、楽しみですね。今度こそジャン=クロード・ヴァン・ダム(本名はジャン=クロード・カミーユ・フランソワ・ヴァン・ヴァレンベルフ、なんですって。じゅげむじゅげむ)、出るかな? あと、アクションスターと言えば、だれ? ヒュー・ジャックマン? ダニエル・クレイグ? ドウェイン・ジョンソン? ロートルもオッケーなら、ハリソン・フォードとか、いっそ、ショーン・コネリーあたりも(笑)? いずれにしても、楽しみですね。
by shirakian
| 2010-10-26 20:49
| 映画あ行