2010年 10月 17日
【海外ドラマ】Dr.HOUSE/シーズン3
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★ネタバレ注意★
■Dr.House/シーズン1
■Dr.House/シーズン2
シーズン3最大のトピックスは、ハウスとトリッターの対立です。
トリッターというのは、ハウスの外来患者のひとり。ハウス的には一目瞭然の症状だったため、ろくに検査もせず診断をしてしまったところ、激しく不興を買ってしまい、しょうがなくしおらしさを装って検査するフリをしたのはいいんだけど、ハウスってば、必要もないのにトリッターの肛門に体温計をつっこんで置き去りにするという暴挙に出てしまうのです(汗)。ところがこのトリッターという男、まずいことに麻薬捜査官だったため、トリッターとジャンキー・ハウスの戦いの火蓋が切って落とされたのであった!
このトリッター、演じているのはなんと、デヴィッド・モースでありますよ! 『コンタクト』ではジョディ・フォスターの理想のダディを演じ、『グリーン・マイル』では人間としてのひとつの理想形を演じた(と白木庵が思う)モースであります。そのモースが麻薬中毒と転売容疑で執拗にハウスを追い詰めていくさまは、『16ブロック』の悪徳警官を彷彿とさせる静かな迫力に満ち、ヒュー・ローリーとの対比がまさに、演技派対決という感じで見応えたっぷり! あー、いいもん観せてもらいました(>_<)!
トリッターは初め、ハウスからの謝罪が得られればそれで手をひくつもりだったようですが、ガキンチョハウスがうんと言わないものだから、事態は深刻なものになっていきます。トリッターはまず、ハウスをスピード違反やら公務執行妨害やら薬物所持やらの現行犯で逮捕し、ハウスの家宅捜査を行い(そこで有り得ない量のヴァイコディンを押収)、ハウス本人をガンガン追い詰めていくのと平行して、ハウスを取り巻く人々に手をのばして外堀を埋めていきます。
一番被害を受けたのは、いつもハウスのために処方箋を書いていたウィルソンでした。
ウィルソンはハウスを守るために、15000ドルもの保釈金を払い、トリッターの事情聴取に際しては嘘までつき、ヴァイコディンを奪われて荒れだしたハウスが周りの人間にあたり散らすので、カディを慰めチェイスを宥め、挙句に患者の治療に必要な薬の処方権(ウィルソン先生は癌のお医者さんなので、痛み止めのために麻薬も処方しなければならない)を奪われ、預金も車も差し押さえられてバス通勤をするはめに(>_<)! 特に薬の処方ができなくなったウィルソンは、患者のことを思って大変なストレスに晒されてしまいます。
ハウスはこの間、後ろめたさのあまり、杖をつく腕に激痛を感じはじめるのですが、ウィルソンに対して謝罪も感謝もできません。視聴者のストレスも沸点めがけて上昇していきます。
結局ウィルソンは、さんざん思い悩んだ末、このままではハウスのためにならないと(特に、ハウスの行動に反感をもったチェイスが証人として立つような事態になれば、目もあてられないことになるので)自ら進んでユダの役を買ってでることにし、トリッターと取り引きをします。ウィルソンがハウスが処方箋を偽造したことを証言し、ハウスがリハビリ施設に入って中毒を克服することに応じれば、トリッターはハウスを刑事罰には問わない、という、客観的に見れば公正に思える取り引きです。
ところが! これに対してハウス、あろうことか、ウィルソンが自分の預金や車を取り戻すために、自分を裏切ってトリッターと取り引きした、と激怒するのです。まーさーにー、親の心子知らず(>_<)! や、ウィルソン先生はハウスのパパじゃないけれども。
しかもこの展開で、カディまでウィルソンを、うちのベストの医者を刑務所にいれるつもりなの!? と難詰します。カディにとって、ハウスは唯一無二の名医でも、ウィルソンなんかいくらでも代わりがいると言わんばかりの言い種です。ハウスにいぢめられたときは、慰めてもらったくせに(>_<)!
日ごろはウィルソン先生(の医師としての能力というよりその人間性)に敬意を払っているフシのあるフォアマンですら、たとえ患者を助けるためでも患者の意思を無視した行為は赦されない、と嫌味を言うし、キャメロンに到っては、ハウス愛しさのあまり、ウィルソンを偽善者呼ばわりする始末。ほんとに、このアマ、尼寺に行け! と思う瞬間であります。
ウィルソンはひとえにハウスをヴァイコディン中毒から抜け出させたいと願ってただけなんですが(そして、ハウスの中毒のことを本気で心配してるのは、結局ウィルソンだけだと思う。ほかのひとは、ハウスがちゃんと仕事をこなせさえすれば、ある程度の中毒には目をつむろうという姿勢が見えます)、その思いはハウスには届かず、ついにトリッターに、やっぱり証言はしないことにした、と告げるのです。ハウスがどんなに嫌なやつでも、かれにしか助けることのできない命がある、と。
そんなウィルソンに対し、そんなことをしたらあなたが捜査妨害で収監されますよ、と忠告(恫喝?)するトリッターですが、ウィルソン先生、ハウスの代わりにぼくが刑務所に行けば、それだけ多くの命が救えるから構わない、と言うのです。ウィルソン先生、あなたは一体、ハウスのためにどこまで自分を犠牲にするつもりなの(>_<)!
それからひと悶着あり、さすがに真剣に対策を講じなければやばいところまで追い詰められハウスは、一計を案じ、トリッターへの反省のジェスチャーとして、しおらしいふりをしてリハビリ施設に入ります。これは実はハウスの芝居に過ぎなかったのだけど、ウィルソンはほんのしばしの間、ハウスが本気でリハビリに取り組む気になってくれたと夢をみてしまう(ホロリ)。
ハウスには、ほんとにほんとに、さんざんさんざん酷いことばっかりやられたくせに、足しげく施設に面会に来ては励まそうとするウィルソン。ハウスは、そんなウィルソンに帰れごかしの嫌味を言うのだけど、それでも、裁判の前日、ウィルソンはハウスのもとに、小さなプレゼントを持って訪れるのです。無造作に紙袋に入れられた赤いネクタイでした。
少しでも裁判官の心証がよくなるようにと思って、と差し出されたネクタイに、ハウスは最初、いつもの皮肉で返すのですが、すぐに思いなおしたように告白を始めます。
おれにはきみに文句を言う権利なんかないな。きみはおれを助けようとしてくれただけなのに。守ろうとしてくれただけなのに。ただ友だちとして。
そんなことを言われたウィルソン、思わず目を丸くしてしまいます。
「それって、謝罪のつもりか?」
「更生プログラムの一環なんだ。気色悪いならもうやめるが」
「い、いや、そんなこと全然ないけど。えーと、なんか慣れなくて。……どうか続けてください」
目を白黒させてしどろもどろになった挙句、しまいには丁寧語になっちゃってるウィルソン先生(爆笑)。はーっ、全く全く、あれだけのことをされたのに、たったこれだけの謝罪で感激してしまうウィルソン先生って……(ハンカチがぐしょぐしょ)。
でもね、ここでいいな、と思うのが、衣装さんの演出です。
このシーンに先立つ罪状認否の際も、ハウスは普段はしめないネクタイ姿で出頭するのですが、そのときって、グレーのスーツに白いシャツに青いタイという、なんかその辺にあるものを適当にみつくろってきました感がありありの、実にやぼったい格好だったのです。
が、裁判のシーンで、ハウスはウィルソンからもらった赤いネクタイを身につけるのですが、それにあわせたのがチャコールのスーツと焦げ茶のシャツ♪ とっても小粋でオシャレ、ハウスにも抜群に似合うのです。なんかこう、ウィルソンの心づくしを無にしないよう、ハウスなりに一生懸命考えてコーディネイトした姿が彷彿とされて、目頭が熱くなりませんこと?
ま、ウィルソンのネクタイのおかげをもって(?)裁判も無事終わり、この件は一件落着となるのですが、ここで是非とも言及しておかねばならないのが、この裁判沙汰の間に挿入された次のようなエピソードです。
ハウスが長年診てきた(というか、観てきた)コーマの患者がいるのですが、その患者の子どもが重篤な症状で入院、意識不明の重態に陥ってしまいます。そこでハウスは、患者家族の病歴を探るため、コーマ患者を無理矢理覚醒させるのです。薬の作用で目を醒まさせることはできるのですが、その効果は最大二日ほどしか続きません。患者を徒に目覚めさせ、負担をかけるだけの、治療には程遠い行為です。しかも、目覚めた患者は、なぜか息子を助けるために積極的ではなく、うまいホギー(イタリア風サンドイッチ)が食べたい、などとダダをこねる。
患者から病歴を聞きだしたいハウスは、患者の希望を叶えようとし、ハウスの動向に不安を覚えたウィルソンは(トリッターに嘘をつくはめになった直後で、ハウスに対して腹をたてていたにもかかわらず)、ハウスと患者の理想のホギー探しの道行きにつきあってしまいます。
父親の不可解な行動は、かつて自分の妻を助けられず、いままた息子を助けることのできない自分に対する不甲斐なさからくるものだったことがわかるのですが、結局息子を助けるためには緊急に心臓を移植するしかなく、父親は、どうせコーマに戻るだけの自分なのだから、自分の心臓を息子に移植してほしいとハウスに告げる事態になってしまう。
脳死患者から強制的に心臓を移植させたことならあるハウスですが、こうなるともう、依願殺人、自殺教唆、自殺幇助……。ハウスはウィルソンを巻き込まないよう退席させた後、患者に自殺の方法を示唆し、手を貸してしまいます。一個の医者でありながら、自殺を図ろうとする患者をそれと知りつつ(積極的に)見殺しにするのです。
おかげで息子は助かりますが、倫理的にあまりにも嚥下しがたいエピソードに、視聴者は思い切り戸惑ってしまいます。テレビ番組の一エピソードとして扱うには、あまりにも問題が大きすぎ、複雑すぎ、重すぎます。一体なぜ、こんなエピソードを?
実はこのエピソードは、父子の話に仮託した、ハウスとウィルソンの話だったのだと思う。
当初、息子を助けることに積極的でない父親を訝しがるウィルソンに対しハウスは、「どうせ息子が気に食わないとか、そんなとこだろ。父性愛とか何とか言うが、結局は愛情なんか条件次第なんだから」と言うのですが、ウィルソンは納得しません。
きみの父親にとっては愛情は条件つきなのかもしれないが、全ての人間にとってそうだとは限らない。人間は本能的に子孫を守るために自らを犠牲にしようとするものだ。その安全を守るためなら、無条件に自分を投げ出すことだってある。家族や、友人に対して。
このときまさに、トリッターからハウスを守るべく、無条件に自分の身を危険に晒していたウィルソンです。その気持ちを少しでもハウスに理解してほしいと思うのは当然です。父子の問題に仮託してウィルソンが反駁したのはそのことでした。
しかしハウスは認めません。すべては条件次第なんだ、と繰り返すのみでした。
その後ウィルソンは、なぜフォアマンたち部下の処方箋ではなく、「自分の」処方箋を盗んだのか、とハウスに疑問をつきつけます。フォアマンたちのを盗んだ方がずっと容易だったのに、と。
ウィルソンは言います。
フォアマンたちはきみに雇われている立場だが、ぼくはちがう。自らの意志できみの友だちであることを選んだんだ。そしてきみは、意志によって選択された人間関係というものが、どこまでやったら壊れるか確かめようとしているんだ。いつかぼくたちの関係が壊れたら、きみは自分のセオリーを証明できたことになる。人間関係なんて条件つきであって、きみにはそんなもの必要ないと、切って棄てることができるから。
温厚なウィルソンは、普通、他人が嫌がるようなことは口にしませんが、ハウスが相手のときだけは、容赦なく真実を暴くことがあります。このときのかれの台詞も、ハウスの真実をえぐったものでしたが、ハウスはそれを(その場では)認めようとしませんでした。
そして事が終わったあと、ハウスはウィルソンに話しかけます。
興味深いケースだったな?
ウィルソンは答えます。
そりゃあな、人間は無条件に他人を愛することができるってことが証明されたんだから。きみはそんなの真実じゃないって言うのかもしれないが、きみだって最後には、アトランティック・シティのホテルの部屋で、だれかに向かって、あなたの心臓を切り取ってくださいって頼んだわけだろ?
それに対してハウスは言うのです。
そうじゃなくて、ホギーだよ。あの患者にとって、ホギーなんて、息子に対する自分の本当の気持ちを隠すためのマスクに過ぎないことは、きみだって気づいてたはずなのに、きみときたら、そのマスクのために、マスタードだのプロシュートだのを手に入れようと、上を下への大騒ぎだったじゃないか。きみは、おれの依存症は手に負えないと思ってるが、必要とされることを必要とするきみの性癖だってかなりのもんだぞ? きみは人々にかれらが欲するものを与えようとする。かれらが必要とするものを。かれらが必要だと考えているものを。
ハウスの台詞はまるで畏怖に打たれているかのようでもあります。ウィルソンの業の深さは、もしかしたらハウスを怯えさせるに足るものだったのかもしれない。うっかりこんな人間に甘えて頼ってしまったら、それこそ『幸福な王子』みたく、身ぐるみどころか目玉や心臓だって、取り出して与えようとするかもしれません。トリッターとの件におけるウィルソンの自己犠牲は、ハウスにそこまで考えさせたかもしれません。
ところで、シーズン2の記事で、ウィルソンがハウス相手に「罪のない時間」を過ごしすぎてしまったことが、ウィルソンの結婚生活の破綻の原因の一つになってしまったのかもしれない、と書きましたが、このシーズンで、それが視聴者の推測ではなく、番組的真実であったことが証明されてしまいました(笑)。
あるとき、新任の看護士ウェンディと親しげに話をしているウィルソンを見て、ハウスはウィルソンが彼女と交際していると誤解してしまいます。ウィルソンをとられるような気がしたハウスは、彼女についてあれこれ嗅ぎまわったりして、ウィルソンをうんざりさせてしまいます。
「きみってほんとに哀れなやつだな! ひとりじゃいられないのか?」
「おれは別にきみの結婚生活をダメにしようとしたわけじゃないぞ? きみの場合は自業自得だからな」
「ぼくの結婚がダメになったのは、ぼくが自分の時間を全部きみに費やしてしまったせいだ。きみは、自分の人間関係は惨めなのに、ぼくだけいい人間関係を持つことが怖いんだろう?」
なるほど、ウィルソンにも自覚はあったのね、と視聴者が妙な納得をしたあと、さらに駄目押し(笑)。ウィルソンがウェンディとつきあってるわけではない、ということを納得したハウスでしたが、今度はウィルソンはカディとデートするらしい。またもや気もそぞろなハウス、ウィルソンの二番目の元妻ボニーに、彼女が仲介している不動産に興味があるようなふりをしてつきまとい、ウィルソンは女性に対してどんな風にふるまうのか、聞き出そうとします。
そもそも彼女がウィルソンとつきあうようになったのは、ウィルソンが失恋した彼女をなぐさめてくれたのがきっかけであったらしく、しかもウィルソンは彼女の傷心につけこんでどうこうしようなどという下心は全くなく、「本気で友だちになろうとしてくれた」らしいです。
なんかもう、かわいくって。だから、わたしの方から襲い掛かっちゃったの。……というのが、ふたりの馴れ初めだったらしいのですが、それはとりあえず置いておいて、やがてボニーは、ハウスが不動産を買う気など全くなく、ウィルソンのことを知りたいがために自分を利用しようとしたことに気づきます。
「ジェームスには少なくともわたしを傷つければ罪悪感を覚えてくれるだけの慎みがあったわ」
「おれは別にきみを傷つけちゃいない。きみと結婚してたわけですらないんだ。きみなんかと結婚してこんな不愉快な時間を過ごさないでいられるだけの良識があったからな」
「あなたはいつだってかれを必要としてたし、かれはいつだってあなたのそばにいてあげたわ。あなたは、かれには家で待ってる妻がいることを知っていたのに、そんなこと気にもかけていなかった。あなたがわたしたちの結婚をダメにしたとまでは言わないけれど、助けにもならなかったわ」
ボニーは結婚生活のうんと早い時期から、ハウスという脅威の存在に気づいていて、飼っている犬に、ハウスの名前のアナグラムから名前をつけるぐらい(DOCTOR GREG HOUSE → HECTOR DOES GO RUG ヘクターは敷物に粗相をする)、ハウスを嫌ってたらしいです。この場合、悪いのはウィルソンであるような気がしないでもないけど、まあ、とにかく、ハウスは態度が悪すぎる(笑)。
このときハウスは、GREGORY HOUSEのアナグラムなら、HUGE EGO.SORRYとすべきだな、と嘯くのでした。あんた、ほんとにジャークだよ(笑)。
シーズン3のもうひとつ大事なエピソードは、フォアマンの去就です。かれは解析医としてのハウスの力量は認めていても、かれの人間性を嫌悪しており、ハウスのようにはなりたくない、と思っていたのですが、自信過剰のあまり強引な治療を行い、患者を死なせてしまうという、まさにハウスがやりそうなミスを犯してしまったのでした。
そのことで自信を喪失してしまったフォアマンは、カディの太っ腹な説得や(フォアマン自身をチーフとする新たな解析チームを持たせてくれるという提案)、 ハウスの姑息な妨害工作(笑)にもめげず、病院を去ることを決意します。その結果、ハウスはチェイスをクビにし、キャメロンも辞職してしまいます。オリジナル・チーム・ハウスの終焉です。シーズン4では、新しいチーム結成のための人材探しがメインのストーリーになるらしいです。
ところで、さきほどちらりと、フォアマンはウィルソンの人間性に敬意を払っているフシがあると書きましたが、フォアマンというひとは、ハウスの能力は尊敬していても、医者としてはむしろ、ウィルソンのようになりたかったんじゃないかな、と推測させるものがあります。
診断ミスで結果として殺してしまうことになった患者に、余命告知をする際、フォアマンはウィルソンの助言を求めるのです。「どうやったらいいのか、教えてください。ハウスが言ってました、最後を迎えるとき、患者たちはみな、あなたに感謝すると」
ウィルソンに対するフォアマンのこういう丁寧な態度は、シーズン2でハウスとのつきあい方に悩んだ際に、ウィルソンの助言を求めに来たときのことを彷彿とさせます。
もっともフォアマン、コミュニケーションがとれない自閉症の子どもの検査にてこずった際に、専門医であるあなたに是非やってもらいたいのです、とウィルソンをおだてるようなことを言って、体よく押し付けちゃったりもしていますが(笑)。(そしてウィルソンはうっかり押し付けられている(爆笑))。
さらに言えばかれはウィルソンについて、次のような由々しき問題発言もしているので、是非とも記録に残しておきましょう。
ええと、シーズン3では、キャメロンがチェイスに、「身体の関係とわりきったおつきあい」を提案して、つきあい始め、職場でやっちゃったりなど、なかなかノーティなシーンがあるのですが、そのことをフォアマンに気づかれそうになったキャメロン、「そうよ、わたしたち、職場でやっちゃってるの。不道徳でしょ」と居直ることによって、フォアマンを煙に巻く作戦に出ます。そのときのフォアマンの反応が、これ。
ハウスがウィルソンをやっちゃうならともかく、きみがチェイスをやっちゃうなんて有り得ないダロ(笑)!
フォアマン! ごぉら! なんでそこでウィルソンを引き合いに出すんだ(笑)! 尊敬してるくせに!
ちなみに、フォアマンのこの問題発言、字幕には全く訳出されません。あまりにも過激すぎるとの判断でしょうか(笑)。この番組は台詞が多いので、字幕には出てこない部分が結構多いのが、ちょっぴり残念ですね。特にジョークの類は、ほとんど省略されちゃってる。ハウス先生って、字幕で思うよりも、もっとずうーっと、口が悪いよ(笑)。
ところでこれは、ヒュー・ローリーのルネッサンス的コスプレ。こちらから。
とってもお似合いですね。ローリー氏って、なんかほんとに品があるです。ハウスがどんなにセクハラ発言しても、決して下品に聞こえないのがすごい。ハンサムかと言うとちがうかもしれないけど、セクシーかと言うと、力いっぱいセクシーですよね(笑)。
なんか最近、坊主が好きなら袈裟まで大好き、という心理が働いて、杖をついているひとがみんなセクシーに見えます。果敢に街をゆくおじいちゃんおばあちゃんを見ると、胸がきゅんきゅんするんですけど(笑)。……病膏肓に入る……。
■Dr.House/シーズン1
■Dr.House/シーズン2
シーズン3最大のトピックスは、ハウスとトリッターの対立です。
トリッターというのは、ハウスの外来患者のひとり。ハウス的には一目瞭然の症状だったため、ろくに検査もせず診断をしてしまったところ、激しく不興を買ってしまい、しょうがなくしおらしさを装って検査するフリをしたのはいいんだけど、ハウスってば、必要もないのにトリッターの肛門に体温計をつっこんで置き去りにするという暴挙に出てしまうのです(汗)。ところがこのトリッターという男、まずいことに麻薬捜査官だったため、トリッターとジャンキー・ハウスの戦いの火蓋が切って落とされたのであった!
このトリッター、演じているのはなんと、デヴィッド・モースでありますよ! 『コンタクト』ではジョディ・フォスターの理想のダディを演じ、『グリーン・マイル』では人間としてのひとつの理想形を演じた(と白木庵が思う)モースであります。そのモースが麻薬中毒と転売容疑で執拗にハウスを追い詰めていくさまは、『16ブロック』の悪徳警官を彷彿とさせる静かな迫力に満ち、ヒュー・ローリーとの対比がまさに、演技派対決という感じで見応えたっぷり! あー、いいもん観せてもらいました(>_<)!
トリッターは初め、ハウスからの謝罪が得られればそれで手をひくつもりだったようですが、ガキンチョハウスがうんと言わないものだから、事態は深刻なものになっていきます。トリッターはまず、ハウスをスピード違反やら公務執行妨害やら薬物所持やらの現行犯で逮捕し、ハウスの家宅捜査を行い(そこで有り得ない量のヴァイコディンを押収)、ハウス本人をガンガン追い詰めていくのと平行して、ハウスを取り巻く人々に手をのばして外堀を埋めていきます。
一番被害を受けたのは、いつもハウスのために処方箋を書いていたウィルソンでした。
ウィルソンはハウスを守るために、15000ドルもの保釈金を払い、トリッターの事情聴取に際しては嘘までつき、ヴァイコディンを奪われて荒れだしたハウスが周りの人間にあたり散らすので、カディを慰めチェイスを宥め、挙句に患者の治療に必要な薬の処方権(ウィルソン先生は癌のお医者さんなので、痛み止めのために麻薬も処方しなければならない)を奪われ、預金も車も差し押さえられてバス通勤をするはめに(>_<)! 特に薬の処方ができなくなったウィルソンは、患者のことを思って大変なストレスに晒されてしまいます。
ハウスはこの間、後ろめたさのあまり、杖をつく腕に激痛を感じはじめるのですが、ウィルソンに対して謝罪も感謝もできません。視聴者のストレスも沸点めがけて上昇していきます。
結局ウィルソンは、さんざん思い悩んだ末、このままではハウスのためにならないと(特に、ハウスの行動に反感をもったチェイスが証人として立つような事態になれば、目もあてられないことになるので)自ら進んでユダの役を買ってでることにし、トリッターと取り引きをします。ウィルソンがハウスが処方箋を偽造したことを証言し、ハウスがリハビリ施設に入って中毒を克服することに応じれば、トリッターはハウスを刑事罰には問わない、という、客観的に見れば公正に思える取り引きです。
ところが! これに対してハウス、あろうことか、ウィルソンが自分の預金や車を取り戻すために、自分を裏切ってトリッターと取り引きした、と激怒するのです。まーさーにー、親の心子知らず(>_<)! や、ウィルソン先生はハウスのパパじゃないけれども。
しかもこの展開で、カディまでウィルソンを、うちのベストの医者を刑務所にいれるつもりなの!? と難詰します。カディにとって、ハウスは唯一無二の名医でも、ウィルソンなんかいくらでも代わりがいると言わんばかりの言い種です。ハウスにいぢめられたときは、慰めてもらったくせに(>_<)!
日ごろはウィルソン先生(の医師としての能力というよりその人間性)に敬意を払っているフシのあるフォアマンですら、たとえ患者を助けるためでも患者の意思を無視した行為は赦されない、と嫌味を言うし、キャメロンに到っては、ハウス愛しさのあまり、ウィルソンを偽善者呼ばわりする始末。ほんとに、このアマ、尼寺に行け! と思う瞬間であります。
ウィルソンはひとえにハウスをヴァイコディン中毒から抜け出させたいと願ってただけなんですが(そして、ハウスの中毒のことを本気で心配してるのは、結局ウィルソンだけだと思う。ほかのひとは、ハウスがちゃんと仕事をこなせさえすれば、ある程度の中毒には目をつむろうという姿勢が見えます)、その思いはハウスには届かず、ついにトリッターに、やっぱり証言はしないことにした、と告げるのです。ハウスがどんなに嫌なやつでも、かれにしか助けることのできない命がある、と。
そんなウィルソンに対し、そんなことをしたらあなたが捜査妨害で収監されますよ、と忠告(恫喝?)するトリッターですが、ウィルソン先生、ハウスの代わりにぼくが刑務所に行けば、それだけ多くの命が救えるから構わない、と言うのです。ウィルソン先生、あなたは一体、ハウスのためにどこまで自分を犠牲にするつもりなの(>_<)!
それからひと悶着あり、さすがに真剣に対策を講じなければやばいところまで追い詰められハウスは、一計を案じ、トリッターへの反省のジェスチャーとして、しおらしいふりをしてリハビリ施設に入ります。これは実はハウスの芝居に過ぎなかったのだけど、ウィルソンはほんのしばしの間、ハウスが本気でリハビリに取り組む気になってくれたと夢をみてしまう(ホロリ)。
ハウスには、ほんとにほんとに、さんざんさんざん酷いことばっかりやられたくせに、足しげく施設に面会に来ては励まそうとするウィルソン。ハウスは、そんなウィルソンに帰れごかしの嫌味を言うのだけど、それでも、裁判の前日、ウィルソンはハウスのもとに、小さなプレゼントを持って訪れるのです。無造作に紙袋に入れられた赤いネクタイでした。
少しでも裁判官の心証がよくなるようにと思って、と差し出されたネクタイに、ハウスは最初、いつもの皮肉で返すのですが、すぐに思いなおしたように告白を始めます。
おれにはきみに文句を言う権利なんかないな。きみはおれを助けようとしてくれただけなのに。守ろうとしてくれただけなのに。ただ友だちとして。
そんなことを言われたウィルソン、思わず目を丸くしてしまいます。
「それって、謝罪のつもりか?」
「更生プログラムの一環なんだ。気色悪いならもうやめるが」
「い、いや、そんなこと全然ないけど。えーと、なんか慣れなくて。……どうか続けてください」
目を白黒させてしどろもどろになった挙句、しまいには丁寧語になっちゃってるウィルソン先生(爆笑)。はーっ、全く全く、あれだけのことをされたのに、たったこれだけの謝罪で感激してしまうウィルソン先生って……(ハンカチがぐしょぐしょ)。
でもね、ここでいいな、と思うのが、衣装さんの演出です。
このシーンに先立つ罪状認否の際も、ハウスは普段はしめないネクタイ姿で出頭するのですが、そのときって、グレーのスーツに白いシャツに青いタイという、なんかその辺にあるものを適当にみつくろってきました感がありありの、実にやぼったい格好だったのです。
が、裁判のシーンで、ハウスはウィルソンからもらった赤いネクタイを身につけるのですが、それにあわせたのがチャコールのスーツと焦げ茶のシャツ♪ とっても小粋でオシャレ、ハウスにも抜群に似合うのです。なんかこう、ウィルソンの心づくしを無にしないよう、ハウスなりに一生懸命考えてコーディネイトした姿が彷彿とされて、目頭が熱くなりませんこと?
ま、ウィルソンのネクタイのおかげをもって(?)裁判も無事終わり、この件は一件落着となるのですが、ここで是非とも言及しておかねばならないのが、この裁判沙汰の間に挿入された次のようなエピソードです。
ハウスが長年診てきた(というか、観てきた)コーマの患者がいるのですが、その患者の子どもが重篤な症状で入院、意識不明の重態に陥ってしまいます。そこでハウスは、患者家族の病歴を探るため、コーマ患者を無理矢理覚醒させるのです。薬の作用で目を醒まさせることはできるのですが、その効果は最大二日ほどしか続きません。患者を徒に目覚めさせ、負担をかけるだけの、治療には程遠い行為です。しかも、目覚めた患者は、なぜか息子を助けるために積極的ではなく、うまいホギー(イタリア風サンドイッチ)が食べたい、などとダダをこねる。
患者から病歴を聞きだしたいハウスは、患者の希望を叶えようとし、ハウスの動向に不安を覚えたウィルソンは(トリッターに嘘をつくはめになった直後で、ハウスに対して腹をたてていたにもかかわらず)、ハウスと患者の理想のホギー探しの道行きにつきあってしまいます。
父親の不可解な行動は、かつて自分の妻を助けられず、いままた息子を助けることのできない自分に対する不甲斐なさからくるものだったことがわかるのですが、結局息子を助けるためには緊急に心臓を移植するしかなく、父親は、どうせコーマに戻るだけの自分なのだから、自分の心臓を息子に移植してほしいとハウスに告げる事態になってしまう。
脳死患者から強制的に心臓を移植させたことならあるハウスですが、こうなるともう、依願殺人、自殺教唆、自殺幇助……。ハウスはウィルソンを巻き込まないよう退席させた後、患者に自殺の方法を示唆し、手を貸してしまいます。一個の医者でありながら、自殺を図ろうとする患者をそれと知りつつ(積極的に)見殺しにするのです。
おかげで息子は助かりますが、倫理的にあまりにも嚥下しがたいエピソードに、視聴者は思い切り戸惑ってしまいます。テレビ番組の一エピソードとして扱うには、あまりにも問題が大きすぎ、複雑すぎ、重すぎます。一体なぜ、こんなエピソードを?
実はこのエピソードは、父子の話に仮託した、ハウスとウィルソンの話だったのだと思う。
当初、息子を助けることに積極的でない父親を訝しがるウィルソンに対しハウスは、「どうせ息子が気に食わないとか、そんなとこだろ。父性愛とか何とか言うが、結局は愛情なんか条件次第なんだから」と言うのですが、ウィルソンは納得しません。
きみの父親にとっては愛情は条件つきなのかもしれないが、全ての人間にとってそうだとは限らない。人間は本能的に子孫を守るために自らを犠牲にしようとするものだ。その安全を守るためなら、無条件に自分を投げ出すことだってある。家族や、友人に対して。
このときまさに、トリッターからハウスを守るべく、無条件に自分の身を危険に晒していたウィルソンです。その気持ちを少しでもハウスに理解してほしいと思うのは当然です。父子の問題に仮託してウィルソンが反駁したのはそのことでした。
しかしハウスは認めません。すべては条件次第なんだ、と繰り返すのみでした。
その後ウィルソンは、なぜフォアマンたち部下の処方箋ではなく、「自分の」処方箋を盗んだのか、とハウスに疑問をつきつけます。フォアマンたちのを盗んだ方がずっと容易だったのに、と。
ウィルソンは言います。
フォアマンたちはきみに雇われている立場だが、ぼくはちがう。自らの意志できみの友だちであることを選んだんだ。そしてきみは、意志によって選択された人間関係というものが、どこまでやったら壊れるか確かめようとしているんだ。いつかぼくたちの関係が壊れたら、きみは自分のセオリーを証明できたことになる。人間関係なんて条件つきであって、きみにはそんなもの必要ないと、切って棄てることができるから。
温厚なウィルソンは、普通、他人が嫌がるようなことは口にしませんが、ハウスが相手のときだけは、容赦なく真実を暴くことがあります。このときのかれの台詞も、ハウスの真実をえぐったものでしたが、ハウスはそれを(その場では)認めようとしませんでした。
そして事が終わったあと、ハウスはウィルソンに話しかけます。
興味深いケースだったな?
ウィルソンは答えます。
そりゃあな、人間は無条件に他人を愛することができるってことが証明されたんだから。きみはそんなの真実じゃないって言うのかもしれないが、きみだって最後には、アトランティック・シティのホテルの部屋で、だれかに向かって、あなたの心臓を切り取ってくださいって頼んだわけだろ?
それに対してハウスは言うのです。
そうじゃなくて、ホギーだよ。あの患者にとって、ホギーなんて、息子に対する自分の本当の気持ちを隠すためのマスクに過ぎないことは、きみだって気づいてたはずなのに、きみときたら、そのマスクのために、マスタードだのプロシュートだのを手に入れようと、上を下への大騒ぎだったじゃないか。きみは、おれの依存症は手に負えないと思ってるが、必要とされることを必要とするきみの性癖だってかなりのもんだぞ? きみは人々にかれらが欲するものを与えようとする。かれらが必要とするものを。かれらが必要だと考えているものを。
ハウスの台詞はまるで畏怖に打たれているかのようでもあります。ウィルソンの業の深さは、もしかしたらハウスを怯えさせるに足るものだったのかもしれない。うっかりこんな人間に甘えて頼ってしまったら、それこそ『幸福な王子』みたく、身ぐるみどころか目玉や心臓だって、取り出して与えようとするかもしれません。トリッターとの件におけるウィルソンの自己犠牲は、ハウスにそこまで考えさせたかもしれません。
ところで、シーズン2の記事で、ウィルソンがハウス相手に「罪のない時間」を過ごしすぎてしまったことが、ウィルソンの結婚生活の破綻の原因の一つになってしまったのかもしれない、と書きましたが、このシーズンで、それが視聴者の推測ではなく、番組的真実であったことが証明されてしまいました(笑)。
あるとき、新任の看護士ウェンディと親しげに話をしているウィルソンを見て、ハウスはウィルソンが彼女と交際していると誤解してしまいます。ウィルソンをとられるような気がしたハウスは、彼女についてあれこれ嗅ぎまわったりして、ウィルソンをうんざりさせてしまいます。
「きみってほんとに哀れなやつだな! ひとりじゃいられないのか?」
「おれは別にきみの結婚生活をダメにしようとしたわけじゃないぞ? きみの場合は自業自得だからな」
「ぼくの結婚がダメになったのは、ぼくが自分の時間を全部きみに費やしてしまったせいだ。きみは、自分の人間関係は惨めなのに、ぼくだけいい人間関係を持つことが怖いんだろう?」
なるほど、ウィルソンにも自覚はあったのね、と視聴者が妙な納得をしたあと、さらに駄目押し(笑)。ウィルソンがウェンディとつきあってるわけではない、ということを納得したハウスでしたが、今度はウィルソンはカディとデートするらしい。またもや気もそぞろなハウス、ウィルソンの二番目の元妻ボニーに、彼女が仲介している不動産に興味があるようなふりをしてつきまとい、ウィルソンは女性に対してどんな風にふるまうのか、聞き出そうとします。
そもそも彼女がウィルソンとつきあうようになったのは、ウィルソンが失恋した彼女をなぐさめてくれたのがきっかけであったらしく、しかもウィルソンは彼女の傷心につけこんでどうこうしようなどという下心は全くなく、「本気で友だちになろうとしてくれた」らしいです。
なんかもう、かわいくって。だから、わたしの方から襲い掛かっちゃったの。……というのが、ふたりの馴れ初めだったらしいのですが、それはとりあえず置いておいて、やがてボニーは、ハウスが不動産を買う気など全くなく、ウィルソンのことを知りたいがために自分を利用しようとしたことに気づきます。
「ジェームスには少なくともわたしを傷つければ罪悪感を覚えてくれるだけの慎みがあったわ」
「おれは別にきみを傷つけちゃいない。きみと結婚してたわけですらないんだ。きみなんかと結婚してこんな不愉快な時間を過ごさないでいられるだけの良識があったからな」
「あなたはいつだってかれを必要としてたし、かれはいつだってあなたのそばにいてあげたわ。あなたは、かれには家で待ってる妻がいることを知っていたのに、そんなこと気にもかけていなかった。あなたがわたしたちの結婚をダメにしたとまでは言わないけれど、助けにもならなかったわ」
ボニーは結婚生活のうんと早い時期から、ハウスという脅威の存在に気づいていて、飼っている犬に、ハウスの名前のアナグラムから名前をつけるぐらい(DOCTOR GREG HOUSE → HECTOR DOES GO RUG ヘクターは敷物に粗相をする)、ハウスを嫌ってたらしいです。この場合、悪いのはウィルソンであるような気がしないでもないけど、まあ、とにかく、ハウスは態度が悪すぎる(笑)。
このときハウスは、GREGORY HOUSEのアナグラムなら、HUGE EGO.SORRYとすべきだな、と嘯くのでした。あんた、ほんとにジャークだよ(笑)。
シーズン3のもうひとつ大事なエピソードは、フォアマンの去就です。かれは解析医としてのハウスの力量は認めていても、かれの人間性を嫌悪しており、ハウスのようにはなりたくない、と思っていたのですが、自信過剰のあまり強引な治療を行い、患者を死なせてしまうという、まさにハウスがやりそうなミスを犯してしまったのでした。
そのことで自信を喪失してしまったフォアマンは、カディの太っ腹な説得や(フォアマン自身をチーフとする新たな解析チームを持たせてくれるという提案)、 ハウスの姑息な妨害工作(笑)にもめげず、病院を去ることを決意します。その結果、ハウスはチェイスをクビにし、キャメロンも辞職してしまいます。オリジナル・チーム・ハウスの終焉です。シーズン4では、新しいチーム結成のための人材探しがメインのストーリーになるらしいです。
ところで、さきほどちらりと、フォアマンはウィルソンの人間性に敬意を払っているフシがあると書きましたが、フォアマンというひとは、ハウスの能力は尊敬していても、医者としてはむしろ、ウィルソンのようになりたかったんじゃないかな、と推測させるものがあります。
診断ミスで結果として殺してしまうことになった患者に、余命告知をする際、フォアマンはウィルソンの助言を求めるのです。「どうやったらいいのか、教えてください。ハウスが言ってました、最後を迎えるとき、患者たちはみな、あなたに感謝すると」
ウィルソンに対するフォアマンのこういう丁寧な態度は、シーズン2でハウスとのつきあい方に悩んだ際に、ウィルソンの助言を求めに来たときのことを彷彿とさせます。
もっともフォアマン、コミュニケーションがとれない自閉症の子どもの検査にてこずった際に、専門医であるあなたに是非やってもらいたいのです、とウィルソンをおだてるようなことを言って、体よく押し付けちゃったりもしていますが(笑)。(そしてウィルソンはうっかり押し付けられている(爆笑))。
さらに言えばかれはウィルソンについて、次のような由々しき問題発言もしているので、是非とも記録に残しておきましょう。
ええと、シーズン3では、キャメロンがチェイスに、「身体の関係とわりきったおつきあい」を提案して、つきあい始め、職場でやっちゃったりなど、なかなかノーティなシーンがあるのですが、そのことをフォアマンに気づかれそうになったキャメロン、「そうよ、わたしたち、職場でやっちゃってるの。不道徳でしょ」と居直ることによって、フォアマンを煙に巻く作戦に出ます。そのときのフォアマンの反応が、これ。
ハウスがウィルソンをやっちゃうならともかく、きみがチェイスをやっちゃうなんて有り得ないダロ(笑)!
フォアマン! ごぉら! なんでそこでウィルソンを引き合いに出すんだ(笑)! 尊敬してるくせに!
ちなみに、フォアマンのこの問題発言、字幕には全く訳出されません。あまりにも過激すぎるとの判断でしょうか(笑)。この番組は台詞が多いので、字幕には出てこない部分が結構多いのが、ちょっぴり残念ですね。特にジョークの類は、ほとんど省略されちゃってる。ハウス先生って、字幕で思うよりも、もっとずうーっと、口が悪いよ(笑)。
ところでこれは、ヒュー・ローリーのルネッサンス的コスプレ。こちらから。
とってもお似合いですね。ローリー氏って、なんかほんとに品があるです。ハウスがどんなにセクハラ発言しても、決して下品に聞こえないのがすごい。ハンサムかと言うとちがうかもしれないけど、セクシーかと言うと、力いっぱいセクシーですよね(笑)。
なんか最近、坊主が好きなら袈裟まで大好き、という心理が働いて、杖をついているひとがみんなセクシーに見えます。果敢に街をゆくおじいちゃんおばあちゃんを見ると、胸がきゅんきゅんするんですけど(笑)。……病膏肓に入る……。
by shirakian
| 2010-10-17 19:15
| 海外ドラマ